オーディオインターフェースって何してるの?仕組みと役割解説! [vol.015 難しさ:やさしい]

毎週お読み頂きありがとうございます。

さて今週の話題はこちらの質問箱から。

オーディオインターフェース。音楽制作やレコーディングをしようとする時に話題にあがるものの、謎の機械でもあります。

何をするもので、どういう仕組みなのか理解することで、色々とスッキリするでしょう。可能な限りわかりやすく説明してみたいと思います!

いつもどおり動画と連動ですので、動画もどうぞ。

オーディオインターフェースの役割

※以降本記事内では「iPhoneとパソコン」を「パソコン」として表記します。

声をパソコンに録音しようとする時、どうしますか?
ヘッドホンやイヤホンをパソコンに接続する時、どうしますか?

そもそも論ですが、パソコンにもマイクが搭載されていて、パソコンだけで録音することができます。また、イヤホンを接続する端子が、、、、ありますよね。

つまり、録音したいだけならパソコン本体だけでも可能なのです。

では、なぜオーディオインターフェースが録音に必要なのでしょうか?

答えは「パソコンに接続できない音響機器を接続するために必要」なのです。接続できない機器の筆頭は、「いいマイク」でしょう。マイクの音が出てくる部分を見てみると、、、

SENNHEISER MK 4

▲ボーカル用コンデンサーマイクSENNHEISER MK 4の出力端子

こんな端子、パソコンに挿さる場所がありません。音楽制作で使われるマイクはこんな端子をしています。この端子はXLR端子と言います。

※キャノン端子とも呼ばれますが、キャノンはXLRコネクターを開発した会社の名称です。

さらにはマイクはアナログと言う言語で、パソコンはデジタルという言語で会話をしていますから、言葉が通じません。

マイクの音をパソコンに渡すための「通訳」がオーディオインターフェースです。マイクの音を受け取ってパソコンが受け取れる信号に変換してくれる箱というわけです。

まとめると、

  • マイクを接続するための箱
  • アナログをデジタルに通訳する箱

この2つがオーディオインターフェースの役割です。

オーディオインターフェースの仕組み(入力側)

オーディオインターフェースは様々な機器がセットになった機器です。図をご覧ください。ひとつずつ見ていきましょう。

マイクプリアンプ(ヘッドアンプ)

マイクから出てきた信号を受け取るセクション。マイクの信号というのは微弱電流なので、扱いやすい大きさの電気信号に増幅するのがマイクプリアンプ(Microphone Pre-Amplifier)と呼ばれる部分です。マイクプリとかヘッドアンプ(Head Amplifier、略してHA)などとも呼ばれます。

オペアンプや抵抗という名前の秋葉原で売っていそうな電気部品で構成され、音の信号は電気部品の中を通っていきます。この時に電気部品の持っている癖が信号に影響を与え、音質が変化します。よって、マイクプリアンプの品質によっていい音にも悪い音にもなります。

簡略化できる部分でもあるので、音楽制作用途でない機器ではマイクプリアンプは簡略化されていて、故に音質が劣化します。音楽制作向けの機器は「音がいいパーツ」を使って組み上げられているため、一般の機器より高品位な音になります。

ADC(ADコンバーター)

マイクプリアンプで増幅された信号はまだアナログ信号。これに対しパソコンはデジタル信号しか扱えません。オーディオインターフェースの中でアナログ信号をデジタルに変換する通訳を務めるセクションがADC(Analog to Digital Converter)です。変換そのものはAD変換と呼びます。

音の変化は無さそうですが、否。品質によって音質に大きな差が出るセクションです。

デジタルミキサー

デジタル化された信号はパソコンに送られる前にオーディオインターフェース内部のミキサーを通ります。ミキサーは混ぜたり、接続先を変更したり、音質調整をしたりする役割を持っています。ミキサーの規模は機種によって様々で、通過するだけのものから、本格的な音声処理が行えるものまであります。


このようなセクションを経てマイクの音はパソコンに送られています。パソコン側はこれを録音・再生する録音再生機として機能します。

オーディオインターフェースの仕組み(出力側)

マイクの音をパソコンへ送る入力側を説明してきましたが、オーディオインターフェースには出力側のセクションもあります。

ヘッドホンやイヤホンはパソコンに挿すことができますから、極論では出力側は無くても良いとも言えます。よって、出力側の効能は聞く時の音質(モニター音質)の向上となります。

同じ図ですがもう一度。青い部分が出力側です。

デジタルミキサー

入力同様に信号はオーディオインターフェース内のデジタルミキサーに入ります。入力同様規模は機種によって様々です。

DAC(DAコンバーター)

ヘッドホンやスピーカーといった機器はアナログ音声しか扱えませんので、パソコンから出てきたデジタル信号はそのままでは聞けません。デジタル信号を受け取ってアナログに変換する通訳のセクションがDAC(Digital to Analog Converter、ダック)です。

ADCが和英辞典ならDACは英和辞典です。ADC同様に部品の品質による音質変化が大きい場所です。通訳の人の言語スキルでわかりやすさや意味が異なるのと同じですね。

出力ボリューム

アナログになった信号は外部に出力されますが、出力の前に音量を調整するためにボリュームがついていることが多いです。この先にはスピーカーなどが接続されます。

ヘッドホンアンプ

音声信号は微弱なので、そのままスピーカーやヘッドホンに入れてもほぼ音がしません。音を大きくしてあげる必要があります。スピーカーの場合はスピーカー側に増幅器(=アンプ)があるのですが、ヘッドホンは本体にアンプを持ちません。よって、ヘッドホンアンプ(Headphone Amplifier)で音を大きくしてヘッドホンに渡す必要があります。

おわかりかもしれませんが、ヘッドホンアンプの品質でヘッドホンの音は大きく変化します。パソコン本体にもヘッドホンアンプがあるのですが、簡略化され、お世辞にも音がいいとは言えません。オーディオインターフェースに挿した方がヘッドホンの音が良いのはこのためです。


オーディオインターフェースは様々な機器がセットになった音響機器であることがおわかりいただけたでしょうか。

どうすればいいか、一言でまとめてみましょう。

結局どういう接続にすればいいの?

いい音にしたかったらパソコンではなくオーディオインターフェースに接続する

ということです。

そもそもいい音というのは定義がないので難しいのですが(苦笑)、いい音とは音楽をしていて気持ち良い音と考えれば良いでしょう。オーディオインターフェースに接続した方が気持ちよく音楽できますということです。

質問箱に頂いた質問の回答を以下にまとめてみます。

USBカメラアダプターというのはUSB機器をiPhoneに接続するための変換ケーブルです。Apple純正も社外品もあります。動作が心配な場合はApple純正品を買うと良いでしょう。

オーディオインターフェースはいつ買えばいいの?

上記の通り、音楽制作においてはあったほうが良い機器であることは間違いありません。が、なくても良い機器でもあります。購入の目安としては、パソコンに直接接続できない機器(=マイク)を購入した時、マイクを購入したいと思った時に一緒に揃えるのが良いでしょう。

USBマイクって何?

近年になってこの状況をさらにややこしくした機器が登場しました。USBマイクです。

USBマイクとは、オーディオインターフェースとマイクがセットになったものです。

テレビデオという製品をご存知でしょうか。その名の通りテレビとビデオデッキ(現代におけるテレビのHDDレコーダー)がセットになった製品です。大変便利で、テレビとビデオを両方買うよりは安く、一人暮らしを始めた時に家電を揃える際には重宝したものです。

USBマイクも同じようなもので、何も持っていない人が最初に買う場合は有力な選択肢といえるでしょう。

一方弱点も同じで、片方(マイクかオーディオインターフェース)が壊れたら両方使えませんし、片方だけグレードアップすることもできません。カラオケ気分で歌を歌いたい人はUSBマイクが良いでしょうし、本格的に音楽制作をやりたい人はマイクとオーディオインターフェースを別々に揃えるのが良いでしょう。

▼USBマイクの例。ボーカル用途でUSBマイクを買うなら、マイクスタンドに取り付けられるタイプが良いと思います。

Audio Technica AT2020USB+

Apogee HypeMic

余談ですが、パソコンにマイクがあって、録音もできるということは、、、パソコンにはUSBマイクが内蔵されているということです(๑º ロ º๑)

オーディオ沼へようこそ

オーディオインターフェースのしくみを説明してきましたが、いかがだったでしょうか。

音、オーディオというのは

と言われていて、一度いい音を聞くと戻れません。笑

音の世界においては機器が大きくて重いと音が良い傾向にあり、その理由は前述の通り、こちらです。

「ひとつの部品でできることをわざわざバラバラにして作ると音が良くなる」

この時代になんと非効率な、、、(笑)。

そもそも音というのはそういうものだということです。自分の好きな機器を使って自分の好きな音で音楽をすることこそが楽しいという面があるのです。便利・コンパクトだけが偉い訳ではないのです。(注:便利・コンパクトももちろん偉いですw)

オーディオインターフェースを構成するセクションはすべてバラバラに買うことができます。例えばDACだけ別の機器にすることもできますし、マイクプリだけ別の機器にすることができます。筆者のスタジオはDA-3000という機器をDACとして使っています。

効能は音が自分好みになる。それだけです。

先のDA-3000という機器にはBurrBrownというメーカーのDACチップが使われていて、筆者はBurrBrownの音が好きです。次いで好きなのはAKM(旭化成)です。ESSはそんなに好きじゃないです。長い時間をかけて自分好みを集めていくのも楽しいものです。

今週の宿題

DACによる音の違いを感じてみましょう。

同じ曲を 同じヘッドホンで iPhoneとパソコンで 聴き比べてください。
もしオーディオインターフェースもお持ちでしたら+オーディオインターフェースもやってみましょう。

感想を140文字にまとめてtwitterにアップしてみると面白いかもしれません。(#SWKミキシング講座 のタグをつけていただければRTします)

厳密にはDACとヘッドホンアンプによる違いですが、かなり音質に差があるということが体験できると思います。

今週の耳トレの解答

今週の耳トレの解答はこちら!

正解:音源C

いかがでしたか?

4つの音源のボーカルパートの音量はそれぞれ3dBずつ異なっています3dBというのは人間の「ちょっと」という感覚に近い値で、誰でも音量変化を感じ取れるのは3dBくらいからだと思っています。このトレーニングによって音量変化や音量バランスに対する感性を磨くことができるでしょう。

以下の画像は証拠写真。

左から以下のようになっており、一番右のVOCAL MIX(ボーカルまとめ)トラックのフェーダー位置が異なっています。

  • メインボーカル
  • ボーカルダブリング1
  • ボーカルダブリング2
  • コーラス1
  • コーラス2
  • コーラスまとめ(バス)
  • ボーカルまとめ(バス)

ちなみに、解答にもなっていた「2番めに大きい設定」がちょうど良いと感じた音量でした。


ではまたお会いしましょう。沼へようこそ。笑

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