Macが移行できない! 移行アシスタント/Time Machineで新しいMacに設定を移す場合の注意点 移行アシスタントの使い方と流れ
古いMacBook Proの動作が次第に重くなってきて、何をするにもファンが回るような状態になってしまったので、新しいMacBook Proを調達しました。
今のApple製品はとても便利で、新しいAppleデバイスを買った場合はデバイス同士で通信を行い、環境を移行することができます。Mac間でも「移行アシスタント」という専用アプリケーションが用意されているので、これを使うことで旧Macの環境をそのまま新Macに移行できる、、、はず!なのですが、うまくできなかったので、原因の考察や最終的にどのように移行したのかをまとめました。
目次
結論まとめ
ぐだぐだ長い話より結論という方も多いと思うので、書いておきます。
- 移行元OSが移行先OSより新しいバージョンだと移行アシスタントは使えない
- 移行元OSが移行先OSより古いバージョンの場合は移行アシスタントが使用できる(アップデートせずにそのまま移行可能)
- MacBook Pro 2018 Catalina環境だとBig Surをインストール(ダウンロード)できない
- 移行アシスタントを使う場合は外付けHDD Time Machine経由が最もシンプル
移行元と移行先の環境
移行元
- MacBook Pro 2017
- macOS Big Sur 11.6.1

移行先
- MacBook Pro 2018
- macOS Catalina 10.15.7

予めお伝えしておくと、上記の通り新macの方がOSが古いというややこしい状況です。このややこしい状況が今後の問題の原因になるとは知る由もなく。。。苦笑
Time Machineバックアップの作成
うまくいくかどうかはわからないこと、Time Machine経由の移行に挑戦できるという2つの理由で、必ずTime Machineバックアップを作成しておきましょう。外付けHDDをTime Machineディスクとしておくと移行用ディスクにも使用できるのでオススメです。

なお筆者は上記の写真の通り、TOSHIBAのHDDを変換コネクター経由で使用しています。ずっとこの形態ですが、特に問題はありません。
移行その1 移行アシスタント Wi-Fi経由での移行・・・失敗
移行アシスタントは、旧macの環境をそっくりそのまま新macに移行してくれます。移行完了すればすんなりそのまま旧macと全く同じように使えるので、旧macに不要なアプリやデータが大量に存在するなど、新規構築したい理由がなければ移行アシスタントを使わない理由はないでしょう。
ということで新macでアプリケーションフォルダにある移行アシスタントを起動。以下のような画面になります。

なお以降アシスタントは新旧双方のMacで起動する必要があり、加えて双方のMacは同じWi-Fiネットワークに接続されている必要があります。
旧Macでは[別のMacへ]を選択し、新macでは[Mac、Time Machineバックアップ、または起動ディスクから]を選択します。
続いて新Macでは移行元のMacが選択できるようになります。

上記では移行元のMac[koita’s mac Book Pro]が選択できるようになったので選択したのですが、上記のメッセージが表示され、先に進めない状態でした。
よく考えれば当たり前なのですが、移行元のOSが移行先よりも新しい場合、移行アシスタントでの移行はできないようです。
恥ずかしながら大きな勘違いをしていまして、Catalinaの方がBig Surより新しいと思っていました(笑)。いや、名前がCatalinaの方が新しそうじゃないですか?macOSの名前の順番を覚えていたのはHigh Sierraくらいまでで、それ以降は名前に法則性もありませんし、OSの数が多すぎて訳がわからなくなってきました。
ということで、移行できない原因はOSが違っているためです。
なお調べたところによると、移行先のOSの方が新しい場合は基本的に移行ができるようです。ただし問題があるという情報も見受けられるので、基本的には移行元・移行先が同じOSであることが望ましいと考えられます。
新MacのOSアップデートその1 Catalina → Big Sur・・・失敗
筆者は無駄に最新OSにする必要がないと思っている人間なので、できるだけ安定動作している環境をキープしたいと思っています。故にまずは新MacのOSを旧Macと同じBig Surにアップデートすることにしました。
Big Surは古いOSになるためApp Storeで検索しても最新のMontereyに誘導されてしまい、Big Surが表示できません。以下のページのURLから遷移することでApp StoreでBig Sur等の旧OSを表示できます。
https://support.apple.com/ja-jp/HT211683
無事にApp Storeに誘導され、[入手]を選択するとシステム環境設定の[ソフトウェア・アップデート]が自動的に起動し、OSを探しに行きます。

が、探しに行ったまま帰ってきませんでした。
これも調べていくと新しいMacで旧OSがApp Storeからダウンロードできない問題があり、Appleが全く改善してくれないという情報があるようです。発見できる情報としてはHigh Sierra等の旧OSからBig Surがダウンロードできず、Catalinaにアップデートすればダウンロード可能という情報でした。新MacはCatalinaなのでダウンロードできそうですが、できませんでした。
おそらくOSによって何らかの相性問題があるのでしょう。そして今後解決することは無いでしょう、、、(^_^;)
つまり、新MacにBig Surはインストールできそうにないという結論になりました。
新MacのOSアップデートその1 Catalina → Monterey・・・成功
新macのOSが新しければ良いので、次なる一手は新MacをBig Sur以降の現行OSであるMontereyにアップグレードすることです。
Montereyは最新OSなので(2022年7月現在)、システム環境設定から[ソフトウェア・アップデート]を実行すればダウンロード可能です。

ただしここもちょっとしたトラップがあり、Big Surを[入手]から検索した後にMontereyを検索するとやはりぐるぐるのまま帰ってきません。ソフトウェア・アップデートで旧OSを探しに行くとリアクションがないのでそのままになる、という不具合に見えました。
この問題は再起動することで解決可能です。
再起動してからソフトウェア・アップデートを行えば、上記の通りMonterey(最新OS)が表示されますので、[今すぐアップグレード]からアップグレード可能です。
新Macで移行アシスタントを使用してTime Machine経由で移行する
新MacにMontereyがインストールできれば、「移行先のOSの方が新しい」という状況が成立するので、移行アシスタントでの移行が可能となります。
ちなみに移行アシスタントでは3種類の方法で移行が可能です。
- Wi-Fiを経由した通常移行
- USB3ケーブル・ターゲットディスクモードを使用した移行
- 外付けTime Machine HDDを使用した移行
調査の結果、3のTime Machine経由が最も確実で早く、簡単そうという結論になりました。
まずWi-Fi経由はWi-Fiの速度や接続状況に依存するため、転送途中に接続が遮断される可能性があり、遮断されるとそのまま止まってしまうことがあるようです。夜中に移行を仕掛けて置く場合は泣くことになりますね。
ターゲットディスクモードは速度は最も早いようですが、意外とケーブルの入手性が悪いので、予め準備が必要です。USB-C – USB-CのUSB3.0規格を満たすケーブルでないと認識してくれないようです。ちなみに、MacBook Proに付属してくる電源ケーブルはUSB3.0規格を満たしていないため使用できません。
外付けTime Machine HDD経由で移行する場合は、Time Machine HDDを接続した状態でアプリケーション>ユーティリティから[移行アシスタント]を起動します。
[Mac、Time Machineバックアップ、または起動ディスクから]を選択して[次へ]を選択します。

移行元として使用できるディスク等が表示されます。Time Machine HDDを接続していれば以下のようにディスクが表示されますので、選択して[次へ]進みます。

Time Machineが正常であれば、どのバックアップを復元するかを問われます。任意の日付のバックアップを指定して[次へ]進みましょう。

続いてはどの情報を転送(復元)するかを選択します。旧Macの状態をそのまま構築したい場合は全て選択しておきましょう。以下では転送する容量が104.19GBとなりました。転送するデータ量が多ければ多いほど転送に時間がかかります。

続いてはアカウントに関する設定です。パスワード等を入力しながら進みます。
筆者の場合は新Macを起動できる状態にしてから(アカウントを作成してから)移行アシスタントを使用したため、新しく作ったアカウントと旧Macにあるアカウントの2つが存在することになります。新しく作った方は不要ですので、削除する選択をしました。



これで設定は完了。あとは転送完了を待つだけです。
先程の通り転送量は109GBで、時間は44分との表示でした。実際にかかった時間は44分よりはやや長かったものの、1時間はかからなかったと思います。USB3.0接続にしては遅い気もしますが、ただデータコピーすれば良いというものでも無いのでしょう。
また、Wi-Fi経由より早いことは確実だと思います。

転送が完了すれば自動的に再起動しますが、旧Macのデスクトップやアプリがそのまま復元されますので、すぐに仕事に戻ることができます。
唯一設定が復元できなかったのはメールアプリ[Spark]でした。Sparkで管理していたメールアドレスはすべて設定を再入力し、手動で復元となりました。
また、復元完了後は旧Macで使用していたTime Machine HDDを新Mac用に使うことができます。Time Machineディスクとして選択すると初回バックアップ時に色々勝手に設定してくれます。手間はありません。
ということで、Macの移行のお話でした。