Mac Pro Mid2010にOS 10.14 Mojaveをインストールして延命する話
我がスタジオのパソコンはMac Pro Mid2010というモデル。現役バリバリ、マシンパワーもまだまだ余裕。ProTools/Cubaseでの音楽制作からYouTubeチャンネルの動画制作までガンガンこなします。特に音楽制作では全く困っていません。
スペックは以下の通り。フルチューンといえばフルチューンではあります。
- Mac Pro (Mid 2010) MacPro5.1
- OS:HighSierra
- CPU:2 x 3.33 GHz 6-Core Intel Xeon X5680
- メモリ:64 GB 1333 MHz DDR3
- 内蔵ドライブ:SSD 500GB(SYSTEM)+ M.2 NVMe SSD 2TB(DATA)
- 追加ポート:USB3.0 x 4
- グラフィックボード:Radeon HD 5870
なんとか成長させてここまで来ました。車もですが、古いものを頑張って使うのが好きなのです。壊れてないのに捨てるとかやってると滅ぶと思うのです人類。もちろん仕事でスペック不足になったら考えますが、2010年のモデルがまだまだ問題なく使えます。音楽制作はそんなにパワーを必要としません。
このMac Pro Mid2010というモデルは、オフィシャルでMojaveまでサポートされていますが、インストールするにはMetal対応のグラボが必要になります。映像屋さんではないのでグラボにお金を積む気になれず、HighSierraのままになっていました。
そんなある日。
実はリビングにもう1台Mac Proがあるのですが、遂に壊れました。
おそらくグラボがダメになったという予測です。ということで、どうせグラボ買うならMetal対応のグラボを買ってメイン機のグラボを換装、余ったグラボをリビングマシンにつけようという結論に達し、色々とやってみました。ところてん方式。Mac Pro Mid2010にMojaveを入れるの巻、スタートです!
あ。
最初に言っておきますけど、
オチ、無いですよ?笑
まずはグラボを入手 MSI Radeon RX560
グラボなんぞいくらでも売っている世の中ですが、いやいや。このMac Pro Mid2010で使えるかどうかが重要なのです。というか、Apple様からグラボの指定があるのです。こちら。
https://support.apple.com/ja-jp/HT208898
以下の他社製のグラフィックスカードは Metal 対応で、Mac Pro (Mid 2010) および Mac Pro (Mid 2012) での macOS Mojave の使用に対応しています。
Mac Pro (Mid 2010) および Mac Pro (Mid 2012) に macOS 10.14 Mojave をインストールするより引用
MSI Gaming Radeon RX 560 128-bit 4GB GDRR5
SAPPHIRE Radeon PULSE RX 580 8GB GDDR5
SAPPHIRE Radeon HD 7950 Mac Edition
NVIDIA Quadro K5000 for Mac
NVIDIA GeForce GTX 680 Mac Edition
ほかにも、以下の AMD GPU ファミリをベースとした他社製のグラフィックスカードの中にも、Mac Pro (Mid 2010) および Mac Pro (Mid 2012) での macOS Mojave の使用に対応しているものが一部あります。
AMD Radeon RX 560
AMD Radeon RX 570
AMD Radeon RX 580
AMD Radeon Pro WX 7100
AMD Radeon RX Vega 56
AMD Radeon RX Vega 64
AMD Radeon Pro WX 9100
AMD Radeon Frontier Edition
モデルが多いので迷いましたが、音楽制作ソフトProToolsの指定によりAMD Radeon RX560を探すことにしました。
※前はシステム要件にRX560ほか3機種ほど指定があったのですが、現在は消えているようです(2021年5月)
筆者映像屋でもゲーム屋でもないのでグラボには疎いのですが、グラボの頭脳であるGPUを作っているメーカーは2社しかないんだそうです。AMDとNVIDIA。それぞれRadeonとGeForceというブランド名のGPUを作っています。一方、グラボ自体は様々なメーカーが作っています。
よって、色々なメーカーのグラボにRadeonやGeForceの記載があるということです。ややこしい。
レビュー等を調べたところ、Mid2010 x ProToolsの使用事例が多そうなのはMSIのRadeon RX560でしたので、これを購入しました。意外にも中古品は少なく、ヤフオク等での流通量はかなり少ないようです。このカードはDVI/HDMI/DPの3ポート構成。現在使用しているRadeon HD5870はDVI/mini-DP x 2の構成でしたので、変換ケーブルもあわせて調達しました。
▶MSI Radeon RX 560 AERO ITX 4G OC グラフィックスボード VD6359
いまになってよく考えると、わざわざ指定外のグラボを買ってます。いや、このあたりの仕組みがよくわからなくてですね、、、Radeon RX560って書いてあるやつはみんな同じだと思ってました。笑
さぁ果たして動くのでしょうか。
グラボ換装
さて届きました。早速やってみます。
OSのMojave化とグラボ換装は別の話題。Mojave化は失敗すると面倒なので、まずはグラボ換装だけやってみます。
これまで使用していたHD5870はグラボ用の電源が必要なモデル。マザーボードから2本の電源ケーブルが生えていますのでこれを外します。
続いてRX560を装着。こちらは電源不要です。サイズも小さくなって冷却にも良さそうです。
装着したら起動。何事もなく起動しました。本当に簡単すぎて拍子抜けです。いや、昔の機器を愛用していると、こういう時に必ずなにかが起こるものなのですよ、、、苦笑。
ファームウェアをアップデート
グラボが換装できたので、Mojave対応のファームウェアにアップデートすることができます。Mojave対応のファームウェアは144.0.0.0.0というバージョンで、Mojaveをインストールしようとすると自動的にインストールされる流れになります。
Mojaveはこちら。AppStore経由でのインストールです。
上記で[システム終了]を選ぶとそのまま電源が切れます。
再度電源ボタンを押して起動しますが、その際に上記画面の通り長押しで起動します。長押ししていると電源インジケータが「パパパパッ」と早い点滅をするようになりますので、点滅したら手を電源ボタンから離します。するとブーーーーというこの世の終わりのようなブザー音の後に自動で再起動し、ファームウェアアップデートに入ります。
特にアナウンスもなく終了しますので、終了後に再度起動。ファームウェアが正常にアップデートされたかどうかは、「このMacについて」から確認できます。
Mojaveインストール
やっと本題。OSのインストールに入ります。
もう一度インストーラーを起動しましょう。
あとは説明するようなことはありません(笑)。
Appleさまのお導きに従ってインストールを進めるだけです。40分〜50分程度みておけば良いと思います。静かなるドンを2冊読めました。
ここでは20分と出ますが騙されてはいけません。この後30分くらいあります(笑)。
インストールは無事に進みました。無事に進むとそれはそれで不安になる不思議。さっそくダークモードにしてみました。無駄にダークモード。
ソフトも一通り試しましたが、High Sierraで動いていたソフト達はそのまま使えます。OSアップデートなど無かったようにそのままです。本当に何もせずにそのまま使えます。ProToolsもPhotoshopも大丈夫。OSアップデートがこんなにすんなり終わることってあるのか。笑
よく考えたら、Mojaveが出てから月日が経っていることが良いのでしょう。
OSアップデートの問題はすぐにアップデートすることによって発生することがほとんど。ソフトや機器類が対応できていないことによる問題です。やっぱりゆっくりやればいいんですよ。パソコンなんてもう完成してますからね。個人的には音楽制作にこれ以上スペックの高いマシンは必要ないんじゃないかと思います。
まとめ
さぁまとめてみましょう。
- Mac Pro Mid2010にMojaveはインストールできる?→Metal対応グラボなら大丈夫(Apple推奨グラボを使用されたし)
- MSI Radeon RX560でMid2010 x Mojaveは動く?→なんの問題もなく動きました
- Mid2010 x MojaveでProToolsは動く?→なんの問題もなく動きました
- ソフトの再インストールとかは必要?→必要ないです、そのまま移行できます
しばらく使いましたがいまのところ特に問題は出ていません。
Mojaveと言ってもすでに3世代前ですが、HighSierraとは別次元です。かなり延命できたと言えるでしょう。まだまだ使いたい。
なぜそんなにMid2010に固執するのかって?
理由はただひとつ。
このmacが一番カッコいいからです!
ゴミ箱、おろし金、やっぱりちょっと違う。男心をくすぐらない。通称銀Mac Pro。このモデルは歴代Macの中でも一番カッコいいと思うんです。カッコいいと思ったものを使いたい。突き詰めればそれだけです。壊れるまで使い倒しますよー\(^o^)/
ミキシングを中心にレコーディングからマスタリングまで手がけるマルチクリエイター。一般社団法人日本歌ってみたMIX師協会代表理事、合同会社SoundWorksK Marketing代表社員。2021年よりYouTubeチャンネル「SoundWorksKミキシング講座」を展開中。過去には音響機器メーカーTASCAM、音楽SNSサービスnanaのマーケティングに従事。