丹沢で有数の険しい山 三峰山 周回コース [道の駅清川〜物見峠〜三峰山〜涸沢峠〜道の駅清川] 丹沢紀行 vol.4

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これまでに登ってきた登山コースを自由気ままに紹介していくコーナー。

一般登山道で登れる丹沢の山の中でトップクラスに険しい山、「三峰山」

大山の隣、丹沢主脈からは離れた東丹沢の中央に位置する三峰山は、丹沢の中でもマイナーな山のひとつであり、丹沢山域の登山経験が豊富でないと訪れる機会が無いかもしれません。標高は934mと1,000mを割っているものの、ルートの険しさは丹沢随一。バリエーションルートを除けば最も険しい山と言えるかもしれません。

丹沢が好きならおさえておきたい峻峰を周回コースで回るルートを紹介します。

※本記事はヤマレコに投稿した山行記録を再編集したものです。
※記載されている情報は2022年1月2日現在のものです。

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コース概要

道の駅清川を起点とした周回コース

三峰山を目指して物見峠側から回り込み、三峰山周辺の険しいエリアを通過、唐沢峠を経て不動尻に下ります。以後沢沿いを林道と山道を経て徐々に高度を落とし、同じ場所に戻ってきます。

危険なエリアの通過を含み細かなアップダウンも多く総延長15km超というコースですので、体力、経験ともに相応のものが要求されます。初心者には適さないルートであり、丹沢をある程度歩いて行く山が無くなってきた頃に登ると面白いコースだと思います。

物見峠手前の崩落地帯と三峰山周辺の連続する鎖場がコースの核心部でしょう。後半の不動尻から道の駅清川までもかなり距離がありますので、時間には余裕を持った計画が必要です。道は明瞭ですのでRF能力はさほど必要ありませんが、山深いので迷い込むと遭難の可能性は十分にあります。

夏場はヒルにも注意が必要。冬だと陽が短く、夏だとヒルという、悩ましくも面白いコースです。

■コース
1日目:道の駅清川〜物見峠〜三峰山〜唐沢峠〜不動尻〜道の駅清川

エリア:丹沢
コースタイプ:周回
コース長:15.1km
累積登り標高差:1,203m
日程:日帰り

難易度・危険度:★★★☆☆(危険地帯通過多数)
初心者お勧め度:★☆☆(かなり険しく登山者も少ない)
アクセス:★★★☆(マイカー、バスでのアクセス可能)

登山口とアクセス

マイカーでのアクセス

東名高速厚木ICまたは新東名伊勢原大山ICが最寄りとなり、厚木からはおおよそ30分程度でしょう。県道64号線を使って宮ヶ瀬湖方面へ走ると、宮ヶ瀬湖への登りが始まる前に道の駅清川があります。アクセスにおいて特に注意すべき点はありません。

公共交通機関でのアクセス

公共交通機関の場合は小田急本線 本厚木駅からのアクセスが適しています。本厚木駅5番乗り場より上煤ヶ谷行きまたは宮ケ瀬行きのバスに乗車し、清川村役場前で下車します。

https://michinoeki-kiyokawa.jp/

▼バス 神奈川中央交通

https://www.kanachu.co.jp/dia/diagram/search?k2=%E6%B8%85%E5%B7%9D%E6%9D%91%E5%BD%B9%E5%A0%B4%E5%89%8D&t2=0&snid=00025684&st=0&sk=&x=0&y=0

詳細ログ

コースのみどころ

相模湾など横浜方面の眺望

物見峠以降は稜線を歩くため眺望は良く、横浜方面、江ノ島など相模湾方面を望むことができます

物見峠への登りにて、江ノ島が見える
稜線上は景色が良い
三峰山を過ぎても都心方面は良く見える

間近に見る丹沢主脈

塔ノ岳〜丹沢山の丹沢主脈を間近に見ることができます。この距離で見ることができる場所はあまりありません。

正面に丹沢山、左に塔ノ岳
三峰山 山頂からの丹沢連峰
奥多摩方面が望める場所もある

コースの難所

物見峠手前の崩壊地通過

物見峠手前は稜線上から外れ山腹をトラバースするルートですが、沢部分はほぼすべて崩落しており、滑落に注意が必要です。冬季は落ち葉もあるので、砂礫ザレ地帯と落ち葉によってかなり滑りやすくなります。危険を感じる場合はチェーンスパイクを装備するほうが良いです。

三峰山周辺

三峰山周辺は全域が険しく気が抜けません

北峰直下の高度感のある登り道はザレており、道が砂礫で埋まっています。滑落の危険があるためチェーンスパイク等の滑り止め装着が推奨されます。

北峰以降は岩場、鎖場が連続。切り立った稜線上であるため両側が切れ落ちており、油断は滑落、大事故に繋がります。鎖場エリアはチェーンスパイクだと歩きにくいので、臨機応変に対応する必要があるでしょう。また、雨天時は滑りやすくなるためさらに注意が必要になるでしょう。

自信が無い人は避けた方が良いエリアです。

ルート解説

道の駅清川〜物見峠

県道沿いの道の駅からしばらくは車道歩き。地図に沿ってルートを進むと程なく登山口に至ります。ブロック塀の上を歩きながら鹿柵を越えて山中へ。休憩所までは山腹をゆっくりと登っていきますが、道は整備され歩きやすいエリアです。傾斜がきつくなってきたらまもなく休憩所。この先の難所に向けて休憩を取りましょう。分岐はどちらに行っても進めますが、本記事では物見峠を経由するルートを採ります。休憩所からは尾根を跨ぎ反対側の斜面へ。先述の難所をなんとか通過すると都心方面の眺望が素晴らしい物見峠に到着です。

物見峠〜三峰山 北峰直下

物見峠を過ぎると748mピークまでは激しい登り。手を使えるくらいの斜度がありますが階段があるのでゆっくりと登ります。748mピークを過ぎると物見峠手前の分岐からの道と合流。以降アップダウンはありますが気持ち良い稜線歩きが続きます。痩せ尾根、崩壊地通過もありますが危険度は低いです。景色を楽しみながら三峰山の難所に備えましょう。

三峰山 北峰〜本峰

ここからがこのルートの核心。チェーンスパイクをすぐに出せるよう準備し、気を抜かずに難所を進みます。北峰直下はかなりの傾斜で、階段はあるものの砂礫で埋まっているので滑落に注意しながら登ります。人が立てるくらいの広さの北峰を越えると鎖場エリアに突入。先述の通り鎖場、危険地帯が続きます。景色を楽しむ余裕がないくらい続きますので気を抜かずに。アップダウン、鎖場、岩場をいくつも越え、最後の急登を超えるとテーブルが1枚ある三峰山 本峰頂上に飛び出します。

※三峰山の北峰、本峰、南峰は便宜上名前をつけただけなので、実際そのような名前では地図に掲載されていないと思います。南峰は七沢山という名前になっています。ご了承ください。

三峰山 本峰〜南峰(七沢山)〜唐沢峠

三峰山 本峰を過ぎても鎖場、難所は続きます。南峰(七沢山)を越え、下りの鎖場を過ぎるとようやく道は広く歩きやすくなります。以降広い尾根上の稜線歩きとなります。いくつかの分岐があり、すべて不動尻に向かうルートです。稜線上のアップダウンはそこそこの傾斜がありますので体力も必要です。時間がない場合は不動尻へショートカットすると良いでしょう。いくつかのピークを越えると物見峠と同じような景観の唐沢峠に至ります。

唐沢峠〜不動尻〜谷太郎分岐〜林道終点〜道の駅清川

唐沢峠以降は下山に入ります。稜線から山腹道に移り、ほどなく稜線上からの分岐ルートと合流。以降は尾根上の激しい下りですが、林業道を下りていくため道が広く快適な下りです。沢の音が近づいてくると不動尻。以降谷太郎分岐までは林道を歩きますが、谷太郎分岐からは再び険しい山道となります。堰堤を高巻きしながら高度を下げるため高度感のある道が続き、暗くなってから歩く場合は注意が必要です。木橋での渡渉を複数繰り返すとまもなく林道終点。以降は舗装林道を歩いて集落、リバーランドを過ぎるとまもなく行きの道と合流し、登山終了です。

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