リバーブサウンド改善講座 その1「リバーブ前コンプ」リバーブ入力音量を均一化する  [難しさ:ふつう vol.110] リバーブの使い方

※ 当サイトではアフィリエイト広告を利用しています

ミキシングにおいて使わないことはほぼ無いとも言えるエフェクト、リバーブ。しかしリバーブが思うように響かず、結局音量を下げてしまう人も少なくないようです。近年はリバーブが少ないミキシングが増えましたが、良いリバーブが少ないことと、リバーブをうまく使えない人が増えたことが背景にあると予想しています。※筆者はリバーブが多いミキシングが好きです(*^^*)

リバーブには手を付けずにリバーブの響きを美しくする方法を紹介。本記事ではリバーブ前コンプについて、そしてリバーブに入力されている音について考えてみます。リバーブの設定は変更せずにリバーブの音がよくなることを体験してみてください。

動画版はこちら↓

シリーズ記事

リバーブサウンド改善講座 その1「リバーブ前コンプ」リバーブ入力音量を均一化する
リバーブサウンド改善講座 その2「リバーブ前EQ」リバーブ入力音量を最適化する
リバーブサウンド改善講座 その3「リバーブ幅のコントロール」ステレオ幅で聞こえ方を変える

初心者の方は、以前公開した「リバーブ集中講座」も読んでみてください。

記事で使用している練習素材は以下で販売しています。


リバーブ前段にコンプレッサーを使い、入力音を均一化する

この手法は前述の記事でも紹介していますが、リバーブを綺麗に響かせる上でとても重要な技なので、本記事では深掘りしてみます。

まずはボーカルトラックにセンドリターン形式でリバーブを用意し、多めにリバーブをかけて、ソロで聞いてみましょう。リバーブは何でも良いですが、大きすぎないホールリバーブがわかりやすいと思います。

以下ではRELAB DEVELOPMENTのLX480 Essentialsリバーブを用いています。Lexicon 480Lリバーブ(スタジオ定番のハードウェアリバーブ)を模したプラグインですが、安価であり、パラメーターが少なく使いやすいです。上位版のDual-Engineでなく下位版のEssentialで十分使えます。

ボーカルにリバーブをかける

よく聞くと、ボーカル音量の大小によって響き方が異なっていることがわかると思います。ボーカルが大きな音の時の方が綺麗な響きになることがほとんどです。サビでは低域〜高域までよく響いているのに対し、Aメロなどの音量が小さいところではもこもこした音になっているのがわかるでしょうか。

つまり、大きい音にしてからリバーブに入力した方が良い結果が得られることが多いのです。

ということで、リバーブの前段にコンプレッサーを挿入してみましょう。このコンプレッサーはボーカルの音そのものには影響せず、リバーブに入力されるボーカルの音だけをコンプレッションします。

リバーブエフェクトへの信号の流れ

以下では、Waves Renaissance AXXコンプレッサーを使用しています。コンプレッサーの種類は、音色変化なく確実に音量を圧縮してくれるコンプが適しています。したがって、ビンテージ系のものよりはDAW標準付属のデジタル系コンプが向いています。

Renaissance AXXは設定が簡単であり、かつ、アタックタイムを0msに設定できるので、この用途に向いています。この用途では、音の立ち上がりも確実に圧縮し、音量を均一化してくれる方が良いのです。

リバーブの前段にコンプレッサーを入れる

いかがでしょうか。

リバーブの響きの量が均一化され、聞きやすくなるのがわかると思います。サビなどの大音量時にリバーブ音量が足りないと感じる場合はコンプでの圧縮が強すぎますので、コンプを弱めてみましょう。

最後に、リバーブのチャンネルフェーダーを下げることでリバーブ量を調整します。

リバーブトラックのフェーダーでリバーブ音量を調整する

リバーブのセンド量でリバーブ量をコントロールするとリバーブへの入力音量が変化してしまいます。リバーブエフェクトへの入力信号が小さすぎるとリバーブの音質にも変化が現れます。もちろんこの現象を逆用することも可能ですが、まずはリバーブには大きく入力し、リバーブの出力音量で調整してみましょう

楽器のトラックのリバーブにもコンプレッサーを使ってみる

筆者の場合、リバーブは大きくわけて3種類使うことが多いです。

ボーカルのような主旋律用のロングリバーブ、その他楽器向けのロングリバーブ、全体の響きをコントロールするショートリバーブです。楽曲の内容やパート構成によってはリバーブの台数を増減して対応します。

前項ではボーカル用のロングリバーブに対してコンプレッサーを挿入してみましたが、楽器用のリバーブも同じように作ってみましょう。

まず楽器用のリバーブを用意しますが、同じ楽曲内での響きの種類は多すぎない方がまとまりますから、新たに作らずにボーカルで作ったリバーブを複製して流用してみましょう。もちろん合わないと感じた場合は変更しても良いでしょう。

楽器のトラックにも同じようにリバーブを作る

楽器のトラックにおいては、様々なトラックからリバーブセンドを作ることになります。トラック数が多いのでセンド量を決めるのが難しくなりますが、スネアのトラックのリバーブセンド量を-6dB〜0dB程度に設定し、スネアを基準に他のトラックのリバーブセンド量を決定すると決めやすいでしょう

リバーブへの入力音量が大きくなりすぎた場合は、各トラックのセンド量を下げるか、リバーブ前段のコンプの出力を下げて調整しましょう。

入力音量は各トラックのセンドか、コンプ出力で調整する

楽器系のリバーブにおいても、リバーブ前コンプを強くしすぎるとリバーブの響きのカーブが変わり、音の後半の残響が強調されるようになります。不自然な響きになる場合はコンプを弱めて調整しましょう

慣れてきたらコンプレッサーを変えてみるのも面白いです。いずれにせよ倍音が付加されないデジタルのプレーンなコンプレッサーが適しています。以下はWaves H-Compを使っています。Renaissance AXXと比較するとレシオの調整が可能であるため、残響の残り方などをコントロールしやすくなります。

また、リバーブもSonnox Oxford Reverbに変更しています。リバーブによってコンプレッサーの相性もあるので、細かいことは考えずに使いやすい、コントロールしやすいコンプレッサーを選ぶと良いでしょう。

リバーブとコンプの組み合わせを変えると音も変わる
created by Rinker
Waves
¥6,820 (2024/05/23 13:26:36時点 Amazon調べ-詳細)
created by Rinker
Sonnox
¥49,400 (2024/05/22 16:38:00時点 Amazon調べ-詳細)

リバーブに送られた音を聞いてみる

最後に後学のため、リバーブにどんな音が送られているのか聞いてみましょう

上段はリバーブに送られる音=リバーブセンドを録音した音、下段はリバーブ前コンプレッサーの出力音を録音したものです。

上下で見比べると、当然ながらコンプ後の方が全体的に太くなっているのがわかります。これは音量差が小さくなっていることを意味します。大きい音に大きな響きが付加されますから、全体的に太くなっているということは、小音量部分にもリバーブがかかるようになるということです。

上段:リバーブセンドを録音した音 下段:リバーブ前コンプの出力を録音したもの

ちなみに、センドを録音したトラックにコンプをかけて、そのコンプをリバーブ前に移すことで、リバーブにマッチした入力音を作ることができます。リバーブがかかりやすい音という観点でいえば、リバーブ前コンプはタイトかつシャープな音になっている方がリバーブのかかりが良くなります。録音した音を題材にリバーブ前コンプの設定を決める、ということです。

センドを録音した音で設定を煮詰める

この記事を通して覚えていただきたいことは、リバーブへの入力音が良ければリバーブ出力音が良くなるということ。そして、リバーブがかかりやすい音を入力すれば、わかりやすいリバーブ音が得られるということ。つまりは、リバーブを良い音にするには入力音が重要であるということなのです。

加えて、センドで分岐された信号なので、分岐前の信号には影響がないことも注目しましょう。つまり、リバーブ専用のアグレッシブな音作りが可能なのです。筆者がリバーブをセンドリターンで使用する理由はここにあります。専用の音作りが可能になるのです。

次の回はこの考え方を活用し、さらにクリアで美しい響きを作ってみます。

SoundWorksKミキシング講座が本になりました!投稿されたノウハウの中から中級者向けのステップアップに適した内容をピックアップしたミキシングバイブル。20のノウハウが見開き構成でレイアウトされ、すきなページだけ読んで実践することができます。2,200円税込にて販売中です。
https://soundworksk.booth.pm/items/5210750

リバーブサウンド改善講座 その1「リバーブ前コンプ」リバーブ入力音量を均一化する  [難しさ:ふつう vol.110] リバーブの使い方” に対して1件のコメントがあります。

コメントは受け付けていません。