はじめてのドラムサウンドメイキング day4 リバーブとルームマイクの活用 部屋と曲に合わせた響きの作り方 for Addictive Drums

みなさんこんにちは(^o^)ドラムの音作り、わかってきましたか?

本日4日目は響きのつけ方について紹介していきたいと思います。

リアルなドラムは部屋の響きがあり、また、楽曲においては部屋以外の響きも付加されており、これらの複合的な「響きの付加」によってドラムの音が作られています。

「リバーブつければいいんでしょ?」

そこに!そこに落とし穴があるのです。今日は大まかなドラムへの響きのつけ方の流れ、考え方を紹介します。

はじめてのドラムサウンド day4 リバーブとルームマイクの活用 部屋と曲に合わせた響きの作り方 for Addictive Drums〜 SoundWorksKミキシング講座 [vol.028]

第4回を始めるまえに

第3回までで作ってきた音をそのまま使いますので、記事の通りに進めたい場合は遡って音を作ってみてください。

この記事で使用している音源は、以下でDL販売しています。

響きをつけない方が音がいい?〜部屋の響き〜

最初から大どんでん返しの見出しです(笑)。

「リバーブはつけなければいけない」という通説があります。確かにリバーブをかけると気持ち良い響きになりますのでどんどんかけたくなりますよね。

ここに落とし穴が。

音というのは、音を増やせばどんどん濁っていくものなのです。「音を前に出す」という観点では、リバーブも響きも無い方が音が前に来るのです。これはドラムに限ったことではなく、ボーカルやギター、どの楽器でも同じことが言えます。

一方で、響きの無い音というのはリアリティに欠けます。

なぜかというと、耳で聞くことができる生楽器の音というのは必ず「響き」がついているからです。そう、部屋の音、楽器から出た音が部屋で跳ね返ることで作り出される「響き」です。ルームアンビエンスと言われています。

広い部屋でバンドの演奏、特にドラムを聞くと考えてみましょう。

ドラムの音を聞くことを考えてみよう

ドラマーは至近距離。メンバーになると少しドラムから離れ、スタッフはさらに離れます。観客がいるとすれば、スタッフよりも遠い距離で聞くことになるでしょう。

さぁ、4種類の登場人物、それぞれ聞いている音が違うのです。ドラムとの距離が異なるため直接音と響きのバランスが変わり、出来上がる音に差が出るためです。

まとめると、「響き」はリアリティをコントロールする成分だと捉えることができます。

曲によって、また、曲の展開によってリアリティが必要なこともあれば、必要無いこともあります。

ジャズライブなら響きは必要不可欠。しかしジャズのスタジオ版ならライブより響きは少なくても成立します。バンドPOPSなら少ないながらも響きによるリアリティが必要。近年のPOPSやEDMっぽい曲では響きが無い方が曲にマッチすることも多いのです。

曲や構成、コンセプトによって響きの必要性は変わってくることを覚えておきましょう。つければいいというものでは無いのです。

響き少ない← ドラマー<バンドメンバー<スタッフ<観客 →響き多い

どのくらいのイメージで音を作るかを考えて響きをつけてみましょう。

ルームアンビエンスを足してみよう

Addictive Drumsではその名も「Room(ルーム)」というトラックがあります。

Addictive Drums 2 にはRoomというトラックがある

このトラックがどういう音かというと、ドラムセットを録音する時に、最も遠くにあるマイクの音です。

ドラム録音におけるRoomマイクは部屋全体の音を録音するマイク

上記の写真で言うと一番手前に立っているマイクです。このマイクでは、部屋の響きを多く含んだドラムの音を録ります。

このRoomのトラックを使って音の雰囲気、リアリティをコントロールしてみましょう。

スタッフや観客の聞いている音

まずはルームを中心にしたバランス。先程の例でいくとスタッフや観客が聞く音に近いイメージです。

ルームマイクを0dBに、次いでトップ、バスドラム、スネアを上げていきましょう。ルーム以外のマイクはルームに対して2/3くらいのイメージで良いでしょう。

Roomを中心にしたバランス

Room:10 / Overhead・Kick・Snare:6〜7 / その他OFF

非常に生々しい、実際に聞いている音に近い音になりますね。意外かもしれませんが、実際に聞く音はPOPS楽曲でよく聞く音とはちょっと違う音なのです。

メンバーの聞いている音

続いてはメンバーの位置。チャイナシンバルを鳴らされると耳が痛くなるくらいの距離感です。

メンバー位置ではトップ(Overhead)のマイクを中心に組み立てます。トップを0dBに、バスドラム(Kick)・スネア(Snare)を足して、最後にルームを少し付加します。

Overheadを中心にしたバランス

Room:5 / Overhead:10 / Kick・Snare:6〜7 / Tom:3 / その他OFF

音がタイトになっているのがわかると思います。音源に近づくほどはっきりとしたタイトな音になるのです。反面、響きやリアリティは薄くなっていきます。

ドラマーの聞いている音

最後にドラマー。ドラマー位置ではほぼ直接音というイメージでやってみましょう。バスドラムとスネア、そしてタムのマイクなど、オンマイク(近距離のマイク)を中心に組み立てます。

オンマイクを中心に組み立てたバランス

Room:2 / Overhead:7 / Kick・Snare:9 / Tom:3 / HiHat:5 / その他OFF

バスドラムやスネアのコンプレッションがよく分かる、かなり作り込まれた音になったイメージです。現在は(前回の音作りによって)バスドラムとスネアの音がかなり作り込まれていますが、エフェクトをオフにするとドラマーが聞いている音のイメージに近くなるでしょう。

このように、バランスだけでかなりリアリティのコントロールが可能であることがわかります。

ルームマイクへのイコライジング

使い方によってはルームのマイクにもイコライジングが必要です。特にバスドラム、スネアドラム等オンマイクを大きめに出す時は、ルームマイクの低音をHPF(ハイパスフィルター)でカットしておくと良いでしょう。350-500Hz程度、かなりバッサリ切っても違和感は出ません。

Roomマイクへのイコライジング

逆にルームのマイクの音量を大きく扱う場合、ルームマイクに含まれる低音を活用するほうがリアリティが出ます。あまり過度にイコライジングしないほうが良いでしょう。

曲に合わせたリバーブを足してみる

ここまでで足したものは部屋の響き。そしてここから出てくるのは曲に合わせた響きです。

まずは部屋の響きと曲に合わせた響きは別ということを認識しましょう。別々に作っていくのです。

部屋の響きというのは基本的にはコントロールできません。部屋の大きさや材質、構造、ドラムの置き方など物理的な要素で音や長さが決まっているためです。これに対し、曲というのはテンポも雰囲気も曲ごと異なるため、曲に合わせた作り込みが必要になります。

ここでリバーブという響きを自由に調整できるエフェクトが出てくるのです。

スネアに合わせてリバーブをつくる

まずはセンドリターン形式でリバーブエフェクトを用意しましょう。

センドリターン方式の説明
センドリターン方式の説明

センドリターン形式の説明はこちらの記事↓にあります

Cubaseの場合は、新規トラックから[エフェクト]を選択。リバーブはお好みのもので構いませんが、迷ったら標準付属の[Room Works]を選択しましょう。

RoomWorksは標準付属のリバーブエフェクト

リバーブの種類が選択できる場合はホールリバーブでOK。RoomWorksの場合はそのままで良いです。

続いてスネアのトラックからリバーブに音を送ります。先程新設したリバーブへのセンド(Sends)を作成します。

Sendsでリバーブを選択する

作成したセンドのボリュームを上げて、リバーブがよく聞こえるようにします。後で下げますので、ここでは大きめにしてください。

Snareトラックからのセンド量を調整

この状態で、リバーブの長さ[Reverb Time]を調整しましょう。曲の1拍の長さよりもやや長いリバーブタイムに設定しましょう。使用している素材の場合は2.1秒に設定しました。

リバーブタイムは曲のテンポにあわせて設定

かなりリバーブが聞こえると思いますが、音がもわもわですね。これはスネアの低域にリバーブが反応しているためです。エフェクトトラック(リバーブのチャンネル)でリバーブの後段にイコライザーを用意し、HPFで低域をカットしてみましょう。かなりすっきり綺麗なリバーブの音になると思います。

リバーブ音の低域をカットしてスッキリさせる

他の楽器を入れてセンド量を調整する

続いてベース、ピアノをONに。他の楽器が入った状態で再度送り(センド)量を調整しましょう。

おわかりかと思いますが、ドラム単体で聞いてちょうど良くても、他の楽器が入ってくるとリバーブ量が不足します。常に他の楽器が入った状態=リスナーが聞く状態を意識しましょう。リバーブ量が足りないと思ったら、Snareトラックのリバーブ送り(センド)を上げましょう。

リバーブがなくてもリバーブが聞こえる?

ここで質問です。

スネアだけにリバーブをかけていますが、ドラム全体にリバーブがかかっているように聞こえませんか?

そうなんです、ドラムのうち最も目立つスネアにだけリバーブをかけておけば、全体にかかっているように錯覚するのです。(もちろんよく聞けばわかるのですが)

冒頭の話を思い出していただきたいのですが、音は増やせば増やすほど濁ります。これはリバーブにおいても同じで、音をクリアに聞かせるためにはリバーブを小さく留めつつリバーブ感を感じさせることが重要なのです。

もちろんスネアだけだとリバーブ感が不足する部分もあるでしょうから、バスドラム、タムのトラックも少しリバーブに送っておきましょう。しかしトップのトラックはリバーブがかかっていなくてもリバーブを感じられるでしょう。多くの場合、シンバルにはリバーブ感があまり必要ないのです。

※もちろんすべての曲には対応できませんので、考え方として捉えてください

HiHat, Tom等にリバーブセンドを追加

ポイントのまとめ

いかがだったでしょうか。

あくまで方法論と考え方が中心にはなりますが、長く音作りを続けるうえでかなり重要な内容が含まれた記事になったと思います。

ポイントをまとめると、以下のようになります。

  • 部屋の響きと曲に合わせた響きは別のもの
  • すべてのトラックにリバーブをかける必要はない
  • 音は足せば足すほど濁る

ぜひ今回の内容を参考に、ドラムの音に色々な響きをつけてみてください。

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