Waves RENAISSANCE BASS初心者向け使い方解説 ベースに、キックに、万能の「低域増強」エフェクト

持っているプラグインの中からオススメのプラグインを紹介していくコーナー、今回はプラグインの雄Wavesの低域強化プラグインのひとつ、Renaissance Bass(ルネッサンス・ベース:R-Bass)です。Renaissance Bassは単品で購入できるほか、PlatinumやRenaissance MAXXバンドルにも収録されています。

低音強調プラグインは色々ありますが、その中でも最も使い方が簡単なプラグインと言えるでしょう。ユーザーインターフェースがシンプルで簡単なので、低音強調に興味がある人が最初に使うプラグインとして最適です。

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Waves
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https://wavesjapan.jp/plugins/renaissance-bass

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使い方

このプラグインには画期的、というか、初めて聞くとマジ!?っとなってしまう技術が使われているのですが、説明が難解になるのでまずは使い方を見ていきましょう。非常に簡単です。

Step1 低域を増強したいパートに挿入

R-Bassという名称からベース用に感じますが、どの楽器に対しても使うことができます。低域を増強したい、もとい、豊かにしたいと思うトラックに挿入してみましょう。

スタンダードな用途はベース。エレキベースでもシンセベースでも有効です。手始めに遊ぶのであれば、カラオケ音源等2mixへ挿入してもOKです。

プラグインスロットへの挿入順ですが、最終段チャンネルフェーダーまたはボリューム調整プラグイン(Vocal Rider/Bass Rider等)の前段が使いやすいと思います。理由は仕組みを理解するとわかるのですが、低域が「増強されて聞こえる」だけで実際にはあまり増えていないため、音量を抑える必要性が低いためです。また、音質が大きく変化してしまうと効果が薄れるため、最大限に発揮するためにも後段への挿入が良いと思います。

最終段へ挿入

一通り音を作ってから低域を増強するイメージで追加すると良いでしょう。

Step2 [Output Gain]を下げる

ここでこのプラグインの注意点。

効きを強めていくと音が歪んでしまいますので、歪まないように予め[Output Gain]を6dB程度下げておく(-6.0dB程度に設定)と良いでしょう。下げておくことで存分に低域強化を試すことができます。歪まないように使う、歪みを認識しつつコントロールして使うのがポイントです。

OUTPUT GAINを下げる

Step3 [Intensity]をあげる

続いて[Intensity(強度)]スライダーを上げてみます。[5.0]くらいまで上げてみましょう。何やら低域がモコモコと強くなってくるのがわかると思います。

Intensityで強さを決める

Step4 [Freq]を調整する

[Intensity]を上げた状態で、[Freq(=Frequency、周波数=音の高さ)]スライダーを動かしてみましょう。特に低域側(=数字が少ない=周波数が低い)へ動かしていくと、何やらベースなどの低域が気持ちよく増える、「ぬーーん」というベースが聞こえてくる場所があるはずです。ここが当たり周波数だと思ってください。

Freqを低い方へ動かす

Step5 楽曲に混ぜて微調整する

この状態で楽曲に混ぜて微調整しましょう。気持ち良い低域なので必要以上に追加しないように注意が必要。[Intensity]と[Gain]に注目して、程よく低域が豊かになったように聞こえる設定を探しましょう。[Intensity]を上下させ、[Out Gain]をランプが赤くならないように調整します。

コツは、楽器単体で聞いてやや歪み気味でも混ぜると気にならないことが多いので、必ず混ぜた状態で判断することです。少しくらい歪んでいる方が音が前に出て聞こえやすい場合もあります。

最終調整を行う

いかがでしょう?驚くほど簡単に豊かな低域を出すことができたと思います。

高度な使い方:[Original Bass]をカットする

左側に[Original Bass]というメーターとスイッチがあります。これは原音に含まれる低域がどのくらいあるのかを表示するメーターです。[Freq]を[100Hz]に設定した場合は、[100Hz]以下の低音がどのくらいあるのかを示しています。

[IN]スイッチを消灯(=原音ベースをOFF)にすることで、原音に含まれる低音をカットすることができます

原音の低音をカットできる

低音をカットしたら低域が寂しくなりそうですよね?楽曲全体で再生しながら[IN]をON/OFFしてみてください。意外と変わらないのです。これは後述するRenaissance Bassで使っている技術による効果で、原音に含まれる低音がなくなってもなぜか低音が聞こえるのです。

効能は、低音をカットしたのでレベル(メーター上での音の大きさ)が小さくなり、結果的にマスター音量に余裕が出てきます。余裕を出しつつ低音が聞こえるという、いいとこ取りのようなことができるのです。

ミキシングというのは0dBの箱にいかにうまく詰めるかという作業であり、その中で低音域は大きな容積を必要とします。したがって、低音を出さずに低音が聞こえるようになるRenaissance Bassは非常にありがたいプラグインなのです。

同じようなエフェクト、どれを使う?

Renaissance Bassのような低域増強プラグインは各社より色々な種類がリリースされており、どれを使うか迷ってしまいます。しかし実際のところどのプラグインエフェクトもやっていることは同じようなものです。

気をつけないといけないのは、「低域を聞こえるようにする」タイプと、「低域を実際に生み出して合成する」タイプがあるということです。

Renaissance Bassは前者に相当します。Wavesには他にも似たようなエフェクトがありますが、以下のように分類できます。

  • 聞こえるようにするタイプ:Renaissance bass, Maxx Baxx
  • 実際に加えるタイプ:Submarine、LoAir

ズバリの記事がWavesさんにあるので、参考にしてみてください。

https://wavesjapan.jp/articles/4bass-sub-enhancers-comparison

どう使い分けるかという点では、扱いが簡単なのは「聞こえるようにするタイプ」です。実際の低音は加算していないので低域の音量変化が少なく、ミキシング全体の音量に与える影響が少ないためです。「実際に加えるタイプ」は低音を合成して加算するため、低音域の音量が実際に大きくなります。扱いが難しくなりますが、ダンスミュージック等超低域がグイグイ来て欲しい音楽では役に立つでしょう。「聞こえるようにするタイプ」が理解できたら「実際に加えるタイプ」にチャレンジしてみると良いでしょう。

※実際にはRenaissance Bassでも低音加算はしていると思いますが、分量とコンセプトの違いだと思ってください。

なぜ聞こえる?〜ミッシング・ファンダメンタル〜

使い方は以上ですが、せっかくなのでなぜ低音が聞こえるようになるのかを簡単に説明してみます。

Renaissance BassにはMaxx bassというWaves独自の技術が使われていますが、これは「ミッシング・ファンダメンタル」という聴覚現象を活用したもののようです。説明書を読み解くと「ミッシング・ファンダメンタル」の話が出てきます。

「ミッシング・ファンダメンタル」をざっくり説明してみますが、そのためには音の仕組みを少し知る必要があります。

音はいくつかの高さの音が積み重なって出来上がっていて、いちばん低い高さ(=周波数)の音がファンダメンタル(=fundamantal:基本周波数、基音)と呼ばれます。重なっている音のうち整数倍の周波数を持つ音を倍音(=harmonic sound)と呼びますが、この倍音だけ残して基音を消しても、人間は基音を認識してしまいます。実際は鳴っていないのに聞こえてしまうという現象です。

「ミッシング・ファンダメンタル」という聴覚現象があります。例えば1,800Hz,2,000Hz,2,200Hzの正弦波を加算すると,ほぼ200Hzの正弦波に相当する高さが知覚されるという現象です。これは,1,800Hz,2,000Hz,2,200Hz がそれぞれ200Hzの第9倍音,第10倍音,第11倍音になっているからです。

一般社団法人 日本音響学会 Webサイト 音のなんでもコーナーより引用

Renaissance Bassはこの現象を応用し、[Freq]で設定した周波数を基音とした音の倍音を加えていくことで、基音を認識させる、つまり、聞こえるように錯覚させるエフェクターなのです。このようなエフェクターは別名では「ハーモニック・エンハンサー」などと呼ばれますが、日本語訳すると「倍音強調」となります。

[Original Bass]をOFFにしても音が聞こえたのはこの現象によるものです。たぶん。いや、僕が作った訳ではないもので(苦笑)。

この項の内容がご理解いただけるようなら、[Freq]パラメーターを設定する場合の最適値も自ずと理解できると思います。わからなければ、[Freq]を適当に左右に動かしてみて、「ぬーーん」と来る場所を探しましょう(^o^)。

おまけ プラグインのデザインを変えられます

Renaissanceシリーズのデザインはここ数年でガラッと変わりました。筆者のように古来から使ってきた人はびっくりしました。

そんな昔から愛用している人のために、なんと昔のデザインに戻す方法があります(苦笑)。

左上の[Skins]をクリックするとプルダウンメニューが表示されますので、[Legacy]を選択すれば見事!昔のデザインに戻ります。

めでたしめでたし笑。

Renaissance Bassの説明書(英文)

https://www.waves.com/1lib/pdf/plugins/renaissance-bass.pdf

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