SW20 MR2 ミッションオーバーホール その1 (NA用 S54ミッション)

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SW20 NA用のミッション。

なぜか3基持ってます笑。

加えて1台は車に搭載されていますし、最近スペアエンジンを購入したんですが、エンジンにもミッションがついてきます。

つまり全5基あります(笑)。

さすがにいらないよなと思いつつ(笑)、1基くらいは使えるように整備して載せ替えてみようかと思い始めました。オーバーホールしたことありませんが、ネットにそこそこ情報が転がっているのでなんとかなるような気が。

壊してもあと4基ありますから大丈夫ですww

やってみたいと思います〜

無理やりLSD摘出

そもそもミッションを購入した理由が「LSDが入っているらしい」という情報に基づいたものです。LSDかどうかは開けてみないとわからないけど、それでもよければという条件でした。したがって、とりあえずLSDかどうか確かめるべく無理やり分解です。

こちらの(MR2仲間の)記事を参考に分解しました。

(今にして思えばイニシャルトルクを測ればバラさずに済んだなと思うわけですがww)

まずはミッションオイルを抜きます。

抜かずにバラしてもいいですけど、それはそれは大変なことになります。普通抜きます。笑

ミッションオイル排出

SW20 S54型?ミッションは、ざっくり3つの外装(ケース)で出来ています。

クラッチディスクが入るハウジングと、1−4速とバックギヤが入るミッション本体、そして5速の3つに分かれます。LSD(ファイナルギヤ)はミッション本体のクラッチハウジング側に入っていますので、この2つを分解すれば良いのです、、、が!

バックギヤが非常に難解な構造で接続されているということを覚えておく必要があります。

クラッチハウジングとミッション本体は外側から外周のボルト、そしてクラッチハウジング内側からのボルトを外すと分離できます。パッキンで接合されていますので、ボルトを外しただけでは分離できません。マイナスドライバー、バール等でこじって割れ目を作って分解します。

マイナスドライバー等で分離する

割れ目がはいるとケースが分離するのですが、バックギヤのフォークがクラッチハウジングにボルト留めされており、バックギヤ等はミッションケース本体側に引っ張られるので、このバックギヤフォークを外さないと分離できません。

しかしケースの隙間からバックギヤフォークを外さなければいけないので、なかなか難しい作業です。ラチェットは入らないのでスパナで回すしかないです。ラチェットレンチがあると便利です、たぶん12mmだったと思います(要確認)。

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見事分離するとファイナルギヤ(デフ)が出てきます。これは!

多分LSDだ!笑

SW20 S54ミッション内部

ゆっくり観察したところ、どうやらTRDのLSDのようです。

SW20 たぶんTRDのLSD

問い合わせてみましたがこのLSD、とっくに廃盤で在庫も全くありません。ついでに純正シム、リペアキット、もう何も残っていません。入手不可能ですorz
ということで、新品同様復活は不可能で、ギヤ破損等の場合は中古の同型LSDから移植するしかないですね。というか、LSDの中身移植するくらいならそのまま使ったほうが早いか、、、笑。

可能だとすれば自作シム増しによるイニシャルトルク復活でしょうか。イニシャルトルクって、外しちゃうとなかなか測る術がないんですよね〜💦

っていうかTRDかどうかすらよくわかりません。LSDかどうかすらよくわからない、、、笑

とりあえずバラしてみるということで良いでしょうw

シフトフォーク分解

まずはシフトフォークを外します。実は僕の場合はここが最大の難関でした。コントロールシャフト内が錆びていたために固着して外れませんでした。凍結浸透ルブ等を浸透させ、ハンマーで叩いてやっと外れました。

通常はシフトコントロールレバーのロックピン(写真左下)を抜けばスルッと外れるはずです。

コントロールシャフト

続いて反対側のコントロールシャフトカバーを外し、コントロールシャフトを自由にしておきます。頃合いを見て外してください。

このコントロールシャフトカバーの径が非常に大きく、ソケットのサイズで言うと30か32です。アクスルハブのセンターナット用のソケットで外しました。トルクはそんなでもないです。

コントロールシャフトカバーを外した

このシャフトが動いて各フォークを動かし、ギヤが入る状態になります。なかなかおもしろいです。

5速(フィフスギヤ)分解

ケースを開ける

まずは5速ギヤ部分だけ分解していきます。なぜここだけ別の部屋になっているのか謎。

5速のカバー(トランスミッションケースカバー)を留めているボルト8本を外します。

トランスミッションケース・カバー取り外し

全部同じ長さの緩み止め付きボルトでした。手前2本はリバースシフトアーム用のボルトです。

トランスミッションケースカバーのボルト

シフトフォークNp.3& ハブスリーブNo.3取り外し

男心をくすぐる5速ギヤがお目見え。まずはギヤシフトフォークNo.3(=5速用シフトフォーク)を留めているボルトを外してギヤシフトフォークN0.3を外します。

シフトフォークを上に引き抜くと一緒にハブスリーブNo.3(=5速シンクロ用?リング)も抜けます。特に固定されているわけではないです。

フィフスギヤ
トランスミッションクラッチハブNo.3

続いてトランスミッションクラッチハブNo.3(=5速シンクロ機構)を取り外すために、スナップリングを外します。マイナスドライバーを当ててハンマーで叩けば外れます。

スナップリングは再利用不可部品

見る限りでは5速シンクロに目立った摩耗は無いようです。

仕組みとしては外したハブスリーブNo.3が動いて(スライドして)クラッチハブを介してフィフスギヤとシャフトを連結するという構造。すごい仕組みです。。

フィフスドリブンギヤ取り外し

フィフスドリブンギヤを外しますが、セットナットは「逆ネジ」です。カシメられているのでマイナスドライバーとハンマー等でカシメを解き、逆ネジを外します。ギヤが回ってしまうので廻り止めにウエス等を噛ませます。

後日談→ウエス等で廻り止めをすると、ウエスを噛み込んでギヤ部に粉砕されたウエスが残ってしまいます3本のシフトフォークのうち手前2本を上に動かす(2速と4速に同時に入れる)と、「二重噛合」という状態になり、シャフトが回らなくなります。セットナットはこの状態で回せば簡単に外れます。(整備書をよく読んだら書いてありました、、、)

セットナットは再利用不可部品です

続いてフィフスドリブンギヤをプーラーで取り外します。このギヤは比較的外しやすいので、2本爪プーラーでも外れます。

(実はまだ外さないほうが良かったということに後で気づきます)

2本爪でも外れるというだけで、これから買うなら3本爪買う方がいいと思います。ギヤの直径はさほど大きくないので、100mm程度のプーラーで大丈夫だと思います。

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プーラーでフィフスドリブンギヤを外す

クラッチハブNo.3取り外し

続いて5速ギヤのドライブ側、クラッチハブNo.3(5速シンクロ)を取り外します。クラッチハブのM8ボルト穴に適当なボルトを差し込んでギヤープーラーで引っ掛けて外します。

が、ギヤープーラーだとボルトへの引っかかりが悪く苦戦。全くもって引き抜きに必要なトルクに引っかかりが耐えてくれません。

ということで爪プーラーより外れにくいボルトプーラーを使って外すことにしました。クラッチハブに入れるボルトですが、クラッチハブがかなりの強さで圧入されていますので、深めに入れないと外れます。

後日談→ミッションケースを留めているボルトが使えます。プーラーのボルトは微妙にネジ山が異なってネジ山を破壊しやすいので、ミッションケースのボルトを使うのが良いです。

大型プーラーでクラッチハブを外す

しかしここで問題が。

当然ですが、プーラーを回すとギヤが回ってしまうので、何かで押さえる必要があります。

先程外したフィフスドリブンギヤを再度装着し、ギヤが欠けないようにウエスを噛ませて外しました。ウエスだけだと食い込んで排出してしまったので(笑)、ウエスの中に適当なソケットを入れて回り止めをしました。

後日談→これも二重噛合で回らなくなります。ウエス不要です。

クラッチハブN0.3を取り外す
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整備書によるとクラッチハブを分解することになりますが、かなり複雑で戻せる気がしないので、ギリギリまで分解しないことにしました。笑

ミッションケースを開ける

続いてフィフスギヤの下にある鉄板(リヤベアリングリテーナー)を外します。ボルト5本。

外すとインプットシャフト、アウトプットシャフトのベアリング(リヤベアリング)が出てくるので、スナップリングプライヤーでスナップリングを外します。ベアリングにテンションがかかっていると抜けにくいので、少し引っ張りながら抜くと良いようです。

このスナップリングでシャフトがケース内に動かないよう留められていますので、外すとミッションケースが開けられるようになります。

スナップリングプライヤーで外すと楽
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これでミッションケースを開けられる気がしますが、ひっそりとケースを留めているボルトがあと1本ありますので、忘れずに外します。リバースアイドラギヤシャフトを留めているボルトです。

リバースアイドラギヤシャフトをケースから分離する

あとは引き抜けばケースが外れます。

ケースを上に引き抜いて外す

シフトフォークシャフト側です。

整備書では何箇所かスロッテッドピンを外して分解する工程が入っていますが、どれも分解せずにここまで来られました。完全分解するなら各スロッテッドピンを外す作業が必要です。結構抜けないです。

シフトフォークシャフト側

とりあえず測れる部分を計測点検してみましたが、摩耗が見られる箇所はありませんでした。1箇所、リバースシフトフォークのピン外径が基準値を下回っていましたが、ま、リバースギヤですし、動きは問題なさそうなので大丈夫だろうということにしました。

リバースシフトフォークのピン

ちなみに基準値は11.80-11.90mmなので、0.04mm不足です。といってもそんなに削れる部分だとも思えないんですけどね(;・∀・)

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次回はインプット・アウトプットシャフトをばらしてみようと思います。このまま閉じてもいいかなと思ったんですが(笑)、古き友人より2速シンクロは換えた方がいいという助言を頂いたので、とりあえずバラして摩耗計測してみたいと思います。

あとはLSD、一応開けてみようかなと。

では次回!

次の記事

SW20 MR2 機械式LSDオーバーホール ミッションオーバーホール その2 (NA用 TRD LSD)

SW20 MR2 ミッションオーバーホール その1 (NA用 S54ミッション)” に対して2件のコメントがあります。

  1. AndrewBem より:

    It completely agree with told all above.

  2. ChesterPof より:

    Excellent variant

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