エンジンクレーンにて自宅でエンジン載せ替え! SW20 MR2 3S-GE

270,000km超えのエンジン1号機、オイルポンプ付近のじんわりとしたオイル漏れが悪化してきたことと、何やらエンジン/クラッチハウジング付近からカラカラと不定期な異音がするようになったので、意を決してエンジンを下ろしてのメンテナンスを行うことにしました。

前から購入してあったエンジンクレーンが本格的に稼働することになります。そもそも実際に自宅車庫でエンジンの載せ替え(積み下ろし)ができるのかすらわかりませんでした。結果的には成功したのですが、ざっくりとしたエンジン積み下ろしの記録です。

自宅車庫とエンジンクレーンについて

自宅車庫はカーポート付き、アスファルト舗装の車庫です。自宅設備ではショップのようなエンジン下抜きは不可能なので、エンジンクレーンで釣って車庫の高さの中で積み下ろしができるのかが焦点となります。計算上可能なのですが、実際にできるかどうかはやってみないとわかりませんでした。

車庫高さ:

エンジンクレーンはヤフオクで購入したクレーンとエンジンハンガーを用意。以下はAmazonのものですが、ほぼ同型です。コンパクトと書かれていますが、「エンジンクレーンとして」コンパクトであり、基本的には全くコンパクトではないです(笑)。

フック下から地面まで約2350mmとのことです。盲点だったのですが、フックの高さで計算するとエンジンハンガーの分が考慮されません。エンジンハンガー自体がそこそこ大きく、上記エンジンハンガーだとチェーンを除いて182mmあり、チェーン込みだと400-500mm程度見込む必要があります。

エンジンクレーン自体は価格相応で作業には十分でしたが、何回もやっていたら油圧ポンプの作動油が漏れるようになりました。おそらくポンプ部のOリング密閉不良かと思われます。なんとか作業完了できましたが、この辺は価格相応だと感じました。

作業概要・まとめ

作業フロー概要

  1. バッテリーマイナス端子取り外し、燃料流出防止作業
  2. トランク、エンジンフード、エンジンサイドパネルLR/RH、タワーバー、アンダーカバー取り外し
  3. 油脂類(エンジンオイル、ミッションオイル、冷却水)抜き取り
  4. エアクリ、ハーネス、ホース類、スロットルボディー取り外し(上側)
  5. エアコンコンプレッサーASSY、アイドルプーリーブラケット取り外し
  6. マフラー、触媒、左右アクスルハブ、リアメンバー、ドライブシャフト取り外し
  7. 前後エンジンマウント取り外し
  8. シフトリンケージ、クラッチレリーズシリンダー取り外し
  9. ラテラルコントロールロッド、エンジンマウンティングステー(左右エンジンマウント上部)取り外し
  10. エンジンクレーン取り付け、左右エンジンマウント分離
  11. エンジン着地、トランスアクスル分離
  12. エンジン上抜き
  13. 逆順で組み付け
  14. 油脂類注入、冷却水エア抜き

ざっくりと下ろすのに1日、載せるのに1日かかります。下ろしてからの作業と仕上げを見込むと4〜5日見込むのが妥当です。

作業全体での重要事項

  • 燃料流出防止作業は重要です。やらないと燃料フィルターから燃料ホースを外した後、相当量のガソリンが漏れます。燃料流出防止作業をしていても微量のガソリンが出てくるので、火災防止、消化器の準備等は入念に。
  • エアコンコンプレッサーの取り回しが想像以上に大変です。重いのと、エアコンのホースが硬いので動きにくいです。コンプレッサーをエンジン下に抜くタイミング、戻すタイミングを間違えると取り付けできません
  • 積み下ろしにてセンサー、ハーネスを損傷しやすいので注意が必要です。特に上抜きではスロットルポジションセンサーをエンジンを抜く際、入れる際に破壊しやすいです。(壊しました)カプラーも劣化しており抜けにくいものは破損しやすいです。
  • トランスアクスル(ミッション)をつけたままの上抜きは不可能でした。エンジンマウンティングインシュレーターLH(左エンジンマウント)のボディ側取付部が引っかかります。着地させてトランスアクスル分離後に上抜きです。搭載時も逆順です。
  • 整備書必須。詳細は整備書に従ってください。

作業の様子

燃料流出防止作業は、灰皿下のコネクターを抜いた状態でエンジンを始動します。しばらくすると燃料配管内のガソリンを使い果たしてエンジンが停止します。停止したらOKです。

作業フロー1/2で上側の作業終了後に四輪ジャッキアップします。高さはトランスアクスルが抜ければ良いので、最大までジャッキアップする必要はありません。むしろ高すぎるとエンジンが引っかかって抜けません。

配管、ハーネスについては難しく考える必要はなく、とにかくエンジンとボディをまたいでいるものをすべて外せばOKです。戻す時に迷いそうですが、以外とつくようにしかつかないので、接続を間違えることは無いと思います。念の為マスキングテープでナンバリングして進めました。

結果的にはマスキングテープのナンバリングは、接続忘れの防止になりました。カプラー形状がすべて異なるため、接続先がわからないということはありません。しかし接続し忘れるというのは結構あります。マスキングテープが黄色だったのでよく目立ち、接続忘れを防止できました。

なお、ハーネス自体はエンジンと一緒に下ろしますので、すべてのカプラーを外す必要はありませんでした。エンジン本体についているカプラー(センサー系)は外さずにエンジンを下ろせます

ヒューズボックス内のハーネスも切り離します。写真の丸印のあたりを持って上に抜くとヒューズボックスとハーネスが分離できます。

ECUのハーネスも外して、グロメットをエンジンルーム側に押し出して抜き取ります。

エアコンコンプレッサーを外すためにはアイドルプーリーブラケットを外す必要があります。横からエンジン本体に留めているボルトが完全にブラインドです。アイドルプーリーブラケットとエアコンコンプレッサーASSYのボルト(赤)は共締めです。下側にも2本ボルトがあり、全部で3本のボルトを外すとコンプレッサーがフリーになります。が、配管があり、隙間が狭いので落ちては来ません。

上側の各種分離が完了したら、左右アクスルハブを取り外します。マフラー触媒は関係なさそうですが、触媒を外さないとリヤサスペンションアームNo.2のボルトが回せないので、外したほうが結局早いです。17mmの大トルクがかけられるギヤレンチがあれば触媒そのままでも外すことは可能かもしれませんが、装着はトルクレンチをかける必要があるので、困難です。

アクスルハブを取り外したらドライブシャフトを抜きます。

メンバーを外す前にフロントパイプとエキマニを分離しておきます。

なぜメンバーを下ろす必要があるかというと、作業効率の問題もありますが、このように信じられないくらい面倒な構造をしているのです、、、。

フロントパイプがメンバーとスタビに挟まっていて抜けません。フロントパイプを外すにはメンバーを下ろすしかないのです。下抜きの場合、エンジン着地後にトランスアクスルを分離するので下の作業スペースを確保する必要があり、フロントパイプやメンバーは外すほうが圧倒的に楽です。

下ろす際にはフロントパイプに接続されているO2センサーハーネスの分離をお忘れなく。ぶっちぎれます。

リヤ側のエンジンマウントは外さなくても大丈夫です。唯一外さなくてもなんとかなる部品です(苦笑)。

前側エンジンマウント取り外し、リヤエンジンマウント切り離し、シフトリンケージ切り離し、クラッチレリーズシリンダー切り離しまでできたらエンジンクレーンをかけます。荷重をエンジンクレーンで支えた状態で左右エンジンマウントを切り離し、エンジンを着地させます。

この時の注意点は各種ハーネスとエアコンコンプレッサーASSYです。

ハーネスは千切らないようにエンジンを動かす前にすべて下に落としておくのが良いです。エアコンコンプレッサーはエンジンを下ろしながら同時に下ろしていき、コンプレッサーを横に摘出する隙間ができたら横に抜きます。が、配管の関係で遠くには行けない上に、着地するほど配管が長くないので、ブロック等に載せておきます。

こんな感じで着地させます。

着地後にトランスアクスル分離をする必要があるので、完全に着地すると締結ボルトが回せませんし、こじることもできません。エンジンクレーン+ジャッキ、もしくは木片等で、微妙にエンジンを浮かせた状態にする必要があります。

色々な方法で試しましたが、100mm程度の高さが出せる木片が一番良かったです。トランスアクスル組付け時のことも考えると、高すぎるとトランスアクスルを持ち上げるのが面倒です。絶妙な高さが必要です(笑)。

着地後は一旦エンジンクレーンを外します。

着地してエンジンクレーンを外してしまえば手が入るので、トランスアクスルの分離は比較的ラクです。上側のボルト、スターター等々らくらく外せます。車載で外すより楽です。着地後にスピードメーターセンサー等のトランスアクスルに接続されているカプラー類を切り離します

分離後は再度エンジンクレーンをかけますが、抜く時は高さを最大化する必要があるので、エンジンクレーンのチェーンを省略し、エンジンハンガーを直接クレーンに取り付けました。これでギリギリ上抜きを実現できます。

ハーネス、配管を切断しないように慎重に上に抜いていきます。

前後幅はこの通りギリギリです。エキマニ、遮熱板もつけたまま抜けますが、少し引っかかりますので、エンジンの角度を調整しながら前を通過、後ろを通過という感じで上に抜きます。この時にスロットルポジションセンサー付近を破壊しやすいので注意です。

高さはこの通り。エンジンクレーンを最大まで上げて、ハンガーを直付けしてギリギリで抜けました。

着地!お疲れさまでしたヽ(=´▽`=)ノ

組付けは完全逆順です。下ろすのに1日、載せるのに1日。予備日で1日。載せ替え、積み下ろしだけなら慣れれば3日あれば可能だと思います。

下ろしてみるとエンジンまわりの作業は何もかも楽です(笑)。以前タイミングベルト交換を車載でやりましたが、諸々考慮すると下ろした方が楽かもしれません。