ガスケットを自作する方法 エンジンオイル漏れ修理 SW20 MR2のオイルポンプガスケットを自作してみた

古い車に乗っていると避けられない「パーツが廃番」事件

SW20もかなりのパーツが廃番になってきており、ボディ周りは壊滅的。エンジン周りは共用が多いのでまだ出てきますが、部分的に廃番が出てきています。特に特殊形状のガスケット等も廃番になりつつあり、オイルポンプガスケットがかなり危うい状況です。

今後の対応に対する勉強も踏まえて、オイルポンプガスケットを自作してみました。結果的にはとても良い感じですので、作り方を含め紹介していきます。

※色々なタイミングで撮影した写真が出てきますがご了承ください

エンジンのオイル漏れ

筆者の車はSW20 MR2の最終型NAということで、エンジンは3S。SW20は最終型のみVVTiが搭載されており、希少性の高いエンジンです。アルテッツァとほぼ同じエンジンなので、同じパーツもかなり多いです。

※SW20最終型の3S-GEは吸気側のみのVVTi、アルテッツァの3S-GEは吸排気両方VVTiなので、微妙に異なります。

走行距離27万kmを超えてエンジン腰下のじわじわとしたオイル漏れが悪化してきました。以下は24万kmくらいでタイミングベルト交換した際の写真。この時点でじわじわ来ています。

オイルポンプ付近のオイル漏れ

以下は2021年2月の画像。進行中です。

オイルポンプ付近のオイル漏れ

オイルパンNo.2とオイルパンNo.1の接合部からに見えますが、よく見るとオイルポンプ付近に集中していることから、オイルポンプガスケットの劣化であると推測しました。漏れる量ですが気になるほどではなく、オイルレベルゲージの目視では減少を確認できない程度であり、実走行やエンジンへの影響はありません。

タイミングベルト交換時に修理しようと思ったのですが、車載状態では如何ともしがたく断念。エンジンを下ろす機会が来たので、修理することにしました。エンジンを下ろして撮影したのが以下の写真です。

3S-GE オイルポンプASSYとシリンダブロック接合部1

3S-GE オイルポンプASSYとシリンダブロック接合部2

※エンジンの積み下ろしに関しては別記事で紹介しています。

ガスケットと自作ガスケットシート

エンジンを下ろして確認してみると、オイルポンプASSYのガスケットは見事に癒着していました。

剥がそうとしても全く剥がれません(*_*;

3S-GE オイルポンプASSY 黒い部分がガスケット

ガスケットの素材は紙のようなものです。ヘッドやエキマニはメタルガスケットですが、オイルポンプASSYや水回りは紙系のガスケットが使われています。

3S-GE オイルポンプASSY 黒い部分がガスケット

以下が3S-GEガスケットの全容です。型取りに使おうと思ってなるべく正面から撮影した写真です。

オイルポンプガスケットの全容

パーツ番号は以下の通りで、エンジンの変遷とともに変更されています。当方5型(最終型)につき15197-88570です。

15193 オイルポンプ ガスケット
SW20-ACMQF
15197-63021 1989/12-1993/11
15197-88460 1993/11-1997/12
15197-88560 1997/12-1998/10
15197-88570 1998/10-

モノタロウで〜と検索しましたが、

取り扱い終了orz 

代替品の紹介もありません。

https://www.monotaro.com/p/7983/3398/?t.q=15197-88570

(追記:ヤフオク等ではまだ少し出てきます。メーカー完了ですが、在庫しているショップがあるようです。)

ということで検索したところ、紙系のガスケットは比較的簡単に自作できそうということがわかってきました。バイクの方はかなり自作されているようです。ただし出回っている情報は比較的シンプルな形状のガスケットの自作が多く、3S-GEオイルポンプガスケットのような複雑なものはあまり見受けられません。

形さえうまく整えられれば仕組み上は大丈夫なので、やってみることにしました。

購入したのはガスケットシートと呼ばれるものです。厚さのラインナップがあり、今回は純正ガスケットほぼ同等の0.3mmを使用しました。大きさについては自作したいガスケットのサイズ次第です。

(追記:もう少し厚くても大丈夫な気はしました。0.5mmくらいが使いやすいかもしれません。)

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KITACOやデイトナ等有名ブランドのものもあるので、お好みで選ぶと良いと思います。

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ガスケットの型取りと自作

ざっくり言えば簡単で、ガスケットシートをガスケットの形に切り抜いて使うだけです。どうやって型を取るかが肝になります。

前述の通り癒着していたため綺麗に剥がすことができず、ついていたガスケットから型取りすることは不可能でした。癒着のおかげで綺麗に剥がすだけでも結構大変で、貫通マイナスドライバーとハンマーで叩いてやっと剥がれるくらいでした。

当然粉々になりました、、、。

色々考えたところ、バルブのすり合わせに使った光明丹が大量に残っていることに気づいたので、これを使ってみることにしました。

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まずは適当な紙にテストで型取りをしてみました。

光明丹はオレンジ色の粉で、液体で溶かして使用します。エンジンオイルで溶かして筆でオイルポンプASSYに塗布し、紙を押し付けてみたのが以下の写真です。

光明丹で型取り実験

予想以上にうまくいきました(笑)。

大丈夫そうなので、続いては同じようにガスケットシートに型を取ります。

ガスケットシートに型取り

いや〜お見事。車の整備でこんなに予想通りに進むことってあまり無いんですけどね。笑

何らかのトラップがある気がしてなりませんが、先に進みますw

あとは型に沿って切り出していきます。ガスケットシートは繊維質の厚紙のようなものなので、はさみで簡単に切れます。穴の部分や複雑な形状の部分はカッターを使用しました。

型を切り出し

形状を整えたらボルト穴を開けます。ポンチ等を使って開けるのが正統な方法でしょうが、ポンチセットを買ってもほぼ使わないので、普通のパンチで穴を開けました

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紙用パンチで穴あけ

その他の大きい穴はカッターで穴あけをして整形しました。

大きい穴はカッターで開けた

ということで見事完成。

おかしい。順調すぎる笑。

オイルポンプOリング交換

先程はオイルポンプASSYとシリンダブロック間のガスケットですが、3Sの場合オイルポンプはもう一段階分解が可能です。(どちらかというとこちらが重要)

オイルポンプドライブシャフト プーリーを外す必要があります。適当なソケット等で回り止めをして外します。(以下の写真は装着時の写真なので逆になっています)

オイルポンプドライブシャフトプーリーを外す

プーリーを外して周辺のボルトを外せばぱかっと開きます。上記の写真は2号機エンジンで、以下の写真は今回修理している1号機。開けた形跡がありますね。液体パッキンが見えますが、この位置は本来液体パッキン不要で専用形状のOリングのみです。

オイルポンプを分解

ここのOリングは特殊形状ですが、まだパーツ購入が可能です。これも廃番になったらかなり面倒なパーツですね。こういう特殊形状のOリングが廃番になった場合は、液体パッキンで塞げばいいかなと思っています。

参考までにパーツ品番は以下です。読みにくいですが筆者の場合は15188-74050です。

15100B オイルポンプ Oリング
SW20-ACMQF
15188-63010 1989/12-1991/05
15188-63010 1991/05-1993/05
15188-74050 1997/12-
15188-88382 1993/06-1997/12

同時に、オイルポンプドライブシャフトのオイルシール(15100C クランクシャフト(オイルポンプ)シール)も交換しておきます。

15100C クランクシャフト(オイルポンプ)シール
SW20-ACMQF
15165-70010 1989/12-1991/05
15165-70010 1991/05-1993/05
15165-88382 1993/11-
15165-74020 1993/06-1993/11
オイルポンプローター

このOリング、裏表間違えると組めません。実は最初に頼んだ時は表裏を逆に当ててしまい、形状が合わなかったので違う品番を頼んだと思って捨ててしまいました、、、苦笑

なお、オイルポンプASSYを受けるシリンダブロック側はこのような構造になっています。

オイルポンプ・シリンダブロック側

クランクシャフトの動力でオイルポンプローターが回転し、ストレーナからオイルを吸い上げます。ローターを経由してポンプ内を通りオイルが分配される仕組みです。

組付けにあたっては、オイルポンプ各部のボルトはトルクが不要なので、トルクかけすぎに注意が必要です。


組み上げ後1,000km程度は走行しましたが、今の所オイル漏れの様子はありません。無事にオイルが漏れなくなったようですヽ(=´▽`=)ノ

冬ということもあり大変調子がよく、良い感じです(^o^)

※最後まで順調でした。珍しい。笑