iPhoneのマイクで歌ってみたを綺麗に録る方法 マイクを問わずに重要な3つのこと [vol.014 難しさ:ふつう]
いつもお読みいただきありがとうございます!
今回は質問箱に頂いたこちらの質問から。

1回では長くなりそうなので、まずはiPhoneマイクで綺麗に録音するコツをご紹介。iPhoneといえどマイクはマイク。高いコンデンサーマイクでも綺麗に録音するコツや考え方は同じです。iPhoneマイクで覚えたことはそのまま高級なコンデンサーマイクを使う時にも役に立ちます。
iPhoneマイクで音を録りながら、ボーカルを録音するときに覚えておくべき知識、ポイントを覚えましょう。
動画版はこちら↓

目次
その1 マイクの向きに気をつける
マイクはマイクごとに得意な向きがあり、「指向性(しこうせい)」と呼びます。
iPhoneマイクで実験しましょう。録音しながらiPhoneをぐるぐると回したり、裏返したり、色々な向きから歌ってみましょう。この時、iPhoneから口までの距離はなるべく一定に保ってください。
と、その前に。
iPhoneのマイクってどこにあるかご存知ですか?
実は3つもマイクがあるんだそうです。底面と前面、そして背面。

僕がチェックした限りでは、録音において使われるのは主に底面のマイクだと考えられます。前面と背面は動画撮影、ノイズキャンセリング等で使われるようです。
※細かく公開されていないので実際はもっと複雑な動作をしている可能性もあります
ということで、底面マイクの周囲でぐるぐるしてみてください。
そんなに音が変わらない?
はい、それ正解です。
iPhoneのマイクは(状況と音からの推測ですが)無指向性というタイプが採用されているようです。無指向性はどの方向の音も均等に集音するため、方向による差が少ないマイクです。
これに対し有名なSHURE SM58、そしてほとんどの低価格帯コンデンサーマイクは「単一指向性」というタイプ。単一指向性は得意な向きがひとつだけのマイクですので、不得意な向きから歌っても良い音になりません。
ここでは「マイクには得意な向きがあり、それを指向性と呼ぶ」ということを覚えてください。
※いいコンデンサーマイクを買った〜!という情報を見ていると、マイクの向きが前後逆になっている人、そこそこいらっしゃいます(^_^;)
その2 壁からの音に気をつける
その2はよく考えると当たり前なのですが、意外と気づかないポイント。
歌(声)は口から出てマイクに入りますが、全部はマイクに入らず、色々な方向に飛んでいきます。
壁に向かって歌ったら?
歌は壁にあたって跳ね返ってくるのです。ここでiPhoneの無指向性マイク。跳ね返ってきた音も口から出た音と同じように集音してしまいます。

それぞれ直接音と間接音と呼ばれますが、混ざることで音が濁ってしまいます。
綺麗な音で録音するには間接音を減らすことが有効。壁にカーテンや布をかけて音を吸収するようにすると良いでしょう。これを吸音といいます。もしくは、歌う向きを変える、壁から離れて歌うだけでも効果があります。
壁に吸音材と呼ばれるグッズを貼って反射を少なくするのも効果的です。
もちろん、響きが有効な場合(吸音しない方が良い場合)もあります。
それは、響きの良い場所で録音する場合です。コンサートホールやレコーディングスタジオなどの「響きが計算された空間」や、教会などの「響きが美しい場所」であれば、響きを一緒に録音することに意味があります。
しかし、自宅録音においては間接音を減らした方が綺麗な音に仕上がるでしょう。
ちなみに直接音以外を防止することで音質向上を図るリフレクションフィルターという製品もあります。ひとつ持っていると様々な録音で使うことができて便利。僕は2種類持っています。
その3 録音レベルに気をつける
3つ目は録音レベル。録音する時の音量のことです。
特に注意すべきはレベルオーバー(大きすぎ)。レベルオーバーしてしまった音は歪みと呼ばれ、綺麗な音とは程遠い音になるばかりか、後から修正することができません。
では、歪まないようにすごーく小さな音で録音してはどうでしょう?
残念、小さすぎてもだめなのです。
理由をざっくり説明すると、音の綺麗さの問題。デジタル写真に置き換えて説明しましょう。
小さく撮影した写真を大きくするとギザギザ。しかし大きく撮影した写真を小さくする場合は綺麗なまま見ることができます。音でも同じようなことが起こります。
もうひとつはノイズの問題。
録音する時にノイズ(不要音)が一緒に録音されます。小さい音で録音すると声に対してノイズの割合が大きくなり、音量を大きくした時に同じ割合のままノイズが大きくなります。
以上を踏まえ、設定値の目安は大きい音の時にメーター8分目。人間本番になると声の大きさが変化するもので、そのためのマージンを2割確保。これで歪まずに大きな音で録音できます。
GarageBandの場合は左のメーターで調整しますが、なんとiPhoneのマイクを使う場合はレベル調整ができません。

このような場合には、自分とiPhoneの距離で録音レベルを調整しましょう。遠ざかれば音は小さく、近づけば音は大きくなります。
上級テクニックとしてはわざと小さな録音レベルで録音し、目立たない音にするという技もありますが、あくまで上級技。まずは大きなレベルで歪まずに綺麗に録ることを覚えましょう。
動画の中でのセッティング
動画の中で流れる[White Breath / T.M.Revolution]は以下のようなセッティングで録音しました。

ポイントはiPhoneの角度です。反射を防ぐために可能な限りフラットにセッティング。また、リフレクションフィルターの中にiPhoneが収まるように取り付け位置を調整しています。
向きも壁ではない方向に変更。このセッテイングになるまでに3回録音しました。
使っているiPhoneホルダーはこちら。便利です。
まとめと次なるテクニック
紹介した3つのテクニック・知識でも音質向上ができますが、さらに良い音で録りたい方は「近接効果」というものを理解すると良いでしょう。こちらの動画をご覧ください。

いずれにせよ、「考える」ことが重要です。なぜ良い音になるのか、ならないのか。仕組みを知ることで様々な機材や環境に対応できるようになります。ぜひ頭を使いながらチャレンジしてみてください(*^^*)
今週の宿題
今週の内容を実践してみましょう。iPhoneマイクで以下のことをやってみてください!
・底面から/表面から/裏面から/上面から 録音する
・近く(5cm)から/遠く(1m)から 録音する
目的はそれぞれに音の違いがあることを知ること。マイクを知ることで録音のクオリティは向上します。これはiPhoneに限らずどのマイクでも同じです。ぜひやってみてください。
今週の耳トレ(解答)
正解は「MIC2」です!
MIC2はLEWITT LCT840というマイク。指向性の切り替えが可能で、無指向性にして録音しました。驚くほど前後で音が変わらないのがおわかりいただけたと思います。
MIC1はTASCAM TM-280、MIC3はAKG C214というマイク。どちらも単一指向性のみのマイクです。こちらは無指向性と逆で、前後で音質どころか音量も異なるというのがおわかりいただけたと思います。
マイクの前後には気をつけましょう!
ぜひiPhoneマイクの限界に挑戦してみてください。いい音が録れたらtwitterで教えてくださいね(*^^*)
ではまたお会いしましょう。
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