MOTU M2 歌ってみた初心者向けレビュー M2の良いところ&活用法
歌ってみたの制作では、パソコンまたはスマートホンに歌を録音し、編集していきます。歌を録音するためにはマイクが必要で、マイクとパソコン等を接続するための機器がオーディオインターフェース。MOTU M2は歌ってみた制作用のオーディオインターフェースとして大きなシェアを誇る人気機種です。この記事では、M2のどんなところが良いのか、また、M2を活用する方法を歌い手初心者向けに解説していきます。
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目次
M2レビュー 〜歌ってみた初心者にお勧めのオーディオインターフェース〜
オーディオインターフェースとは?
MOTU M2はオーディオインターフェースと呼ばれる機器で、マイクやヘッドホンなどの録音・再生機器とパソコン等の端末の仲介をする通訳のような機器です。とはいうものの、マイクもヘッドホンも、イヤホンマイク等を使用すればパソコンやスマホに直接接続できますよね。なぜオーディオインターフェースが必要なのか、最初に整理しておきましょう。

歌ってみた録音をはじめとした音楽制作では、演奏者・歌唱者のパフォーマンスを余すことなくリスナーに伝えるために、音質が重視されます。音質とは色々な要素を含んでいますが、例えば、はっきりとした音で聞こえるか、迫力があるか、聞きやすい音であるか、などの要素があります。
音質向上のためには良い品質のマイクを使うことが近道なのですが、良いマイクは音響機器用の専用ケーブルで出力されるために、パソコンやスマホには直接接続できないのです。電源が必要な場合もあり、やはりパソコン等に直接接続することができません。


マイクは録音(入力)側の機器ですが、再生(出力)側の機器も重要です。再生機器はモニター機器と呼ばれ、録音される音がどのような音なのか監視する役割を持ちます。音楽制作に適さない再生機器では正確な判断ができないのです。なお、再生機器とはスピーカーやヘッドホンを指します。

オーディオインターフェースを使用することで、これらの音楽制作用の機器をパソコンに接続することができます。接続された機器を適正な音量に設定し、パソコンで扱われるデジタルデータに変換します。再生の場合はその逆で、デジタルデータを人間が聞けるアナログ音声信号に変換します。このように、様々な音響機器をパソコン等に接続して使用するための機器がオーディオインターフェースなのです。
高品位な歌ってみた制作を行うためには必須のアイテムと言って良いでしょう。
高品位パーツを使用して高音質を実現 低ノイズ回路と高品位パーツ
音響機器やオーディオの世界は奥が深く、驚くほど高額な機器も多く存在します。M2は低価格に位置づけられる機器ですが、その音質は高級機に迫るものがあり、コストパフォーマンスは非常に高い機器です。
その理由を紹介していきましょう。
高音質を実現している1つ目の要素は、低ノイズ・マイクプリアンプ回路です。接続されたマイクの音量を音響機器で扱いやすい音量に増幅する回路がマイクプリアンプ。音質に大きく影響します。
低価格の製品では「サー」というノイズが多く、また、音質もザラザラとしているものが多くなります。M2では超低ノイズを実現し、その数値は-129 dBu EINとされています。EIN(Equivalent Input Noise)はマイクプリアンプの持つノイズの少なさを示す数値で、数字が小さい方がノイズが少ないことを示します。-120dBu以下であればプロフェッショナル機器レベルの性能で、MOTU M2は-120dBuを大きく下回る-129dBuを実現しています。
以下の表は歌ってみたでの人気機種を比較したものです。ノイズ性能だけに着目すれば、M2は高額機種さえ凌駕することがわかります。ゲイン幅とはどのくらいマイクの音を大きくできるかという数値ですが、60dBはほぼすべてのマイクに対して十分なゲイン幅です。
| モデル | A社 | B社 | C社 | M2 |
| 等価ノイズ | -120dBu | -127dBu | -128dBu | -129dBu |
| ゲイン幅 | 50dB | 69dB | 65dB | 60dB |
| 価格帯 | 1〜2万円 | 3〜4万円 | 10万円〜 | 3〜4万円 |
もう一つの要素は高品位コンバーター(変換回路)の採用です。音響機器は様々な電子部品を組み合わせて構成され、そのひとつひとつが音質に影響します。特に重要な部品にDAC(DAコンバーター)があります。デジタル信号をアナログ信号に変換するパーツで、ヘッドホン等で聞く音質に影響します。
MOTU M2では、DACにおいて世界的に大きなシェアを持つESS Technology社のコンバーターを採用。採用されるESS Technology 社 Sabre32 Ultra™DACは音質にこだわる音響機器のみで採用されるパーツで、材料費を安くしたい場合は採用されない高級パーツです。良いマイクで録音した音を、そのままの音質で聞くことができます。音楽制作以外にも有用で、YouTubeの音を聞くだけでもその音質の違いに驚くでしょう。

高級感あふれるエクステリアと汎用性
音質だけでなく、総合的な使い勝手の良さや所有する満足感もM2の特徴です。実際に手に取ってみると感じるのが「重い」ということ。鉄製の堅牢な筐体を採用し、手に取るだけでもその質感の高さを感じられます。実際の使用においても重さは重要な要素のひとつ。軽い機器は使っていると動いてしまいますから、持ち運びを想定しない音響機器はある程度重い方が使いやすいのです。
その他ディスプレイはカラーLCDを採用しているため、音量や状態を監視しやすくなっています。パソコンとオーディオインターフェースの橋渡しをするドライバーというソフトウェアも秀逸で、トラブルの事例がほとんどありません。
入力音を聞く(モニターする)場合、ごく僅かながら遅れが生じるのですが、これはレイテンシーと呼ばれています。M2のドライバーはレイテンシーを最小限に抑えており、クラストップの2.5 ms(96 kHz / 32サンプルバッファーを使用時)を実現しています。歌唱や演奏を行う場合に遅れが気になることはほとんどないでしょう。

その他配信用途で便利なループバック機能も備えているため、歌ってみた制作から配信、そして音楽のリスニングまで幅広く活用することができます。
M2活用法&よくある質問
M2を販売するMOTU社はアメリカの会社ですが、日本国内に信頼できる輸入代理店(ハイリゾリューション)があるため、安心して購入できる製品です。オーディオインターフェースはパソコンとの接続でトラブルが起こりやすく、サポートが手厚い、日本語の情報提供が豊富など、カスタマーサポートの有無も購買前にチェックしておくべきです。極端な低価格製品はこれらのサポートが不足していることがほとんどです。
ハイリゾリューション様のWebサイトには、以下の弾いてみた動画の制作方法解説ページがあり、歌ってみた制作でも大変参考になります。
ハイリゾリューション様に届く質問から、特に多い内容を以下にまとめました。
どんなマイクでも使用できるの?〜好きなマイクを使って録音しよう〜
M2は音楽制作用のマイクであればほぼすべてのマイクが使用できます。
音楽制作やライブで使用されるマイクは主に2種類。ライブなどで多用されるダイナミックマイクと、レコーディングで多用されるコンデンサーマイクです。コンデンサーマイクはファンタム電源と呼ばれる電源供給が必要ですが、M2はファンタム電源の供給に対応しています。
例えば、以下のようなマイクが使用できます。主にライブ用途とされるマイクであっても、レコーディングに使用できます。もしライブ用マイクを持っている場合は、まずは所有しているマイクを使って歌ってみた録音をしてみましょう。
ダイナミックマイク
- SHURE SM7B / SM7dB・・・配信用で人気のダイナミックマイク。ただしSM7Bは出力が小さいため、使用は可能であるものの、音は小さめになる可能性があります。出力を大きくできるSM7dBの方が使いやすいでしょう。
- SHURE SM58・・・ライブの定番ダイナミックマイク。
- Sennheiser e 935 / e 945・・・近年人気のあるライブ用ダイナミックマイク。
コンデンサーマイク
- Audio Technica AT2020・・・国内メーカーのコンデンサーマイク。歌ってみたで人気。
- LEWITT LCT 440 PURE・・・柔らかい音質が人気のコンデンサーマイク。
- Neumann TLM 102・・・プロのスタジオで多用されるNeumannブランドの自宅録音用コンデンサーマイク。


※撮影協力:アトリア参宮橋
なお、M2とAudio Technica AT2020をセットにしたMOTU ボーカルレコーディングセットも販売されていますので、これから買い揃える場合はこのようなセットを活用すると良いでしょう。

お勧めの録音設定は?〜適切な設定でプチプチノイズ対策〜
スマホやデジタルカメラで写真を撮影する際には、どのくらいのデータ容量を使用して記録するかを設定します。解像度やファイル形式などの設定がこれに当たりますが、デジタル録音でも同じように設定を行う必要があります。
近年の録音で多用されるのは24bit/96kHzという設定です。これはハイレゾという名称でも親しまれる高解像度フォーマット(形式)で、プロのレコーディングでも多用されます。
歌ってみた制作の場合は、最終的な完成品は動画ファイルとなります。動画の世界では旧来より24bit/48kHzというフォーマットが多用されています。したがって、歌ってみた制作の場合は24bit/48kHzでも全く問題ありません。なお、「24bit」の部分を「ビット深度」、「48kHz」の部分を「サンプリング周波数・サンプルレート」と呼びます。
と高解像度フォーマットを使用したくなりますが、データ容量も大きくなります。それは同時にパソコンの負荷が大きくなるということでもありますから、無闇矢鱈と高解像度にせず、適切なフォーマットを使用することが重要です。慣れるまでは24bit/48kHzを使用するとトラブルも少なくて扱いやすいでしょう。慣れてきたらMIX師や動画師と相談のうえ、高解像度フォーマットを使用してみましょう。
なお、録音の際にプツプツというノイズが聞こえる場合があり、これはデータの転送が追いついていない場合などに発生します。先述の通りパソコンのスペックが不足する場合に高解像度のフォーマットを使用するとノイズが発生しやすくなります。フォーマットを下げるか、バッファサイズというパラメーターを大きい数値に変更してみましょう。
バッファサイズは再生時にデータを一時的に溜めておく場所の大きさを決めるものです。大きくすると再生が安定しますが、遅れが大きくなります。録音の際は小さいバッファサイズが使いやすいのですが、ノイズが出る場合は大きくしてみましょう。
付属のPerformer Liteの場合、それぞれの設定項目は、[セットアップ>オーディオシステムの設定>ハードウェアドライバの設定]にあります。

トラブルが発生しやすい接続方法とは?〜電源つきUSBハブの活用〜
M2はUSBバスパワーという方式で電源が供給されているため、電源アダプターが不要です。USBバスパワー方式はパソコン本体からUSB機器に電源を供給するためコンパクトな環境を構築できますが、稀に電力が不足する場合があります。電力が不足すると不具合が発生する可能性が高くなります。
デスクトップPCであれば電源容量に余裕があることが多いのですが、ノートPCの場合は要注意です。不具合が発生する場合は、電源アダプター付きのUSBハブを使用してみましょう。電源アダプター付きのUSBハブを介することで、M2にもUSBハブ経由で電源が供給されるようになり、パソコンの電源負荷が軽減され、トラブル解決に繋がる場合があります。

iPhone/iPad使用における注意点は?
M2はiPhone/iPadでも使用できます。iPhone/iPadのGarageBand等録音アプリを使用すれば、コンパクトながらも高音質の録音環境を構築することができます。パソコン同様に使用することができますが、注意点があるとすれば前項同様に電源供給です。
iPhone/iPadで使用する場合も、M2の電源はiPhone/iPadから供給することになります。しかしiPhone/iPadはパソコンよりも電源が弱いため、接続にあたっては電源アダプター付きのUSBハブが必須となります。Apple純正のカメラアダプターとM2の間に、 電源アダプター付きのUSBハブを用意して使いましょう。
M2を紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。購入後、最初の使い始めは大変かもしれません。しかし新しいことを始めるのですから、それはどんなことでも同じでしょう。一度録音の方法を覚えてしまえば、M2はとても快適に使用できる製品です。また、マイクやヘッドホン、パソコンを買い替えても、M2は使い続けることができます。もともとコストパフォーマンスの高い製品ですから、使用期間が長期になれば、コストパフォーマンスはさらに高まっていきます。歌ってみたライフにおいて長く使用できる製品になるでしょう。M2から歌ってみた制作を始めてみてはいかがでしょうか。

ミキシングを中心にレコーディングからマスタリングまで手がけるマルチクリエイター。一般社団法人日本歌ってみたMIX師協会代表理事、合同会社SoundWorksK Marketing代表社員。2021年よりYouTubeチャンネル「SoundWorksKミキシング講座」を展開中。過去には音響機器メーカーTASCAM、音楽SNSサービスnanaのマーケティングに従事。








