八の字巻きの方法 動画解説あり コツはひねり方にあり! レコーディングで必須のテクニック・ケーブルがからまない巻き方 [難しさ:やさしい vol.037]8の字巻き

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レコーディングやPAでマイクを使うと、必然的にマイクと機器を接続するケーブルも扱うことになります。湿度を低く保つなど、マイクの保管にセオリーがあるように、ケーブルにもセオリーがあります。

レコーディングスタジオ、PAオペレーター、音響の世界でアシスタントとして働くようになると、最初に覚えることは片付け。その中でもケーブルを素早く、正しく収納するための巻き方、「八の字巻き」を覚えることは必須と言われ、プロの必須スキルと言われています。

以下の通り見た目はわかりませんが、ちょっとした秘密があるのです。

八の字巻き

プロは音を録ること、作ることだけでなく、片付けも上手なのです。次の録音でも、その機材が同じ音を録音してくれるように愛情を込めるのです。

自宅録音でも役に立つ技ですので、ぜひ覚えてみてください。

八の字巻のメリット

ケーブルが絡みにくい

最大のメリットはケーブルが絡みにくいということです。

世間一般で「ケーブルを巻く」と、順巻きという方法で巻かれることがほとんどです。

順巻きの場合、ケーブルを出していくと巻き癖がついたままの状態でケーブルが引き出されるため、引き出したケーブルはまっすぐにはならず、ねじれた状態で引き出されます。ケーブルに余計な負荷がかかるほか、きれいにケーブルを引き回すことが出来ず大きなストレスとなります。

順巻きで巻いたケーブルを解いたところ

八の字巻きの場合、順巻きで一巻き、続いて逆巻きが一巻き。これでワンセットとなるため、ケーブルを引き出した時に順巻の癖と逆巻の癖が発生し、巻き癖が相殺されます。結果、ケーブルを引き出しても絡まず、まっすぐ引き出すことができます

八の字巻きで巻くと解いた時に絡まない

時間は有限ですから、ケーブルを解くための時間は無駄以外の何者でもありません。

ケーブルが傷みにくい

八の字巻きはケーブルに癖が残りにくいため、ケーブルが傷まないと言われています。巻き癖があると同じ場所に同じ負荷がかかり続けますので、ケーブルに良くないのです。ケーブルの芯線や被膜が疲労すると破断し断線する可能性もあります。

ただし実際には巻き癖が原因で断線や破断に至った経験はありません。

つまり実際傷まないかどうかは未知数だと思うのですが、心がけとしてケーブルをいたわる心は必要です。ミュージシャンの魂でもある音を運ぶのがケーブル。道具を大事に扱う心がけのひとつとして、ケーブルが傷む要因となりそうな巻き癖を排除したいと思うのは悪いことではないでしょう。

八の字巻きのやり方

メスを持ってオスで終わる

ケーブルの巻き順ですが、メスから開始してオスで終わるのがお勧めです。スタジオでは壁のコネクターにケーブルのオス側コネクターを挿し、ケーブルを引き出しながらマイクの側へ。マイクスタンドの下にケーブルをおいて、必要なだけ引き出します。つまり、オス側から解くという使い方をするため、オス側で終わるように巻くのです。

ということ、まずはメス側コネクターを左手に持ちましょう

八の字巻きの手順1

なお、ギターシールド等両端が同じ形状のケーブルの場合はどちらでも良いと思います。

順巻きでひと巻き

左手の側に右手を持ってきてケーブルを持ちます。

右手を後ろに下げていって一巻きの長さを決めますが、概ね1mくらいのところで右手を止めます

八の字巻きの手順2

次がポイントですが、右手の中でケーブルを転がす感じでケーブルにねじれを与えながら左手にケーブルをかけるように巻きます。親指でケーブルを押すように、人差し指の上で転がすイメージです。ねじれを与えながら右手を左手に近づければ自然とケーブルが丸くなります。

八の字巻きの手順3

左手にケーブルをかけたら順巻きで一巻き完了。右手の位置が最初に戻ります。

逆巻きでひと巻き

続いて逆巻き

ケーブルに長さを測るところまでは同じですので、右手を下げて1mくらいのところで右手を止めます

ここで順巻きの時と反対のねじれを与えます

順巻では親指で押すようにねじれを与えましたが、逆巻きでは親指で引くようにねじれを与えます。順巻きと逆回転だと思ってください。

ねじれを与えつつ右手を左手に近づけていきますが、順巻きと異なる方法で左手に渡します。ねじれによって丸くなるケーブルの下をくぐって左手に渡してみましょう。

八の字巻きの手順4

うまく渡せたらワンセット完了。順巻と逆巻を繰り返して巻いていきます。この順巻きと逆巻きをスムーズに繰り出せるようになると、右手の動きが八の字を描くようになります。

最後のまとめ方

最後まで巻いたらオス側で終端処理をします。理想はケーブルラップ等をオス側に用意しておき、ケーブルをまとめることです。

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ケーブルラップが無い場合はケーブルそのもので結び目を作って保持する方法もありますが、小さい半径でケーブルを巻くことになるためケーブルに癖がつきやすく、注意が必要です。(とはいうものの、現実的にはこの方法で終端処理されているケースはかなり多いです)

オス側コネクターを輪の中に通し、最後の一巻きの上を通して結び目を作ります。

八の字巻きの終端処理

八の字巻きのコツ

巻き始める前によじれを解いておく

ケーブルには少なからず巻き癖がついているものです。巻き癖が強そうなケーブルを巻く場合は最初から八の字巻きしようとせずに、ケーブルを巻き始める前に巻き癖を解きながらケーブルを集める感じで、足元にケーブルを集めましょう。あくまでも優しく手繰り寄せてください。

一旦集めてから八の字巻きをすると驚くほどスムーズに巻けると思います。

ケーブルを迎えに行く

長いケーブルの場合はケーブルを手繰り寄せながら巻くのではなく、自分がケーブルに近づいていくように巻きましょう。長い場合無理やり手繰り寄せるとケーブルに大きな負荷がかかります。目安としては10m以上のケーブルは無理に手繰り寄せない方が良いでしょう。

速さを求めすぎない

速く巻ける方が良いのですが、目的は全体的にスムーズな作業を生むことで、瞬間的な速さではありません。無理して速く巻こうとすると巻が雑になり、かえって遅くなります。八の字がキレイに巻けるだけでもケーブルの扱いを知らない人よりは速いのです。落ち着いて巻きましょう。

速さを求める方は、ぜひ八の字巻き選手権出場を目指してみてください。笑