個人事業主の法人化 法人化のきっかけは? 合同会社つくってみた vol.1
突然ですが、法人化することにしました。
見栄えや体裁、肩書、規模に興味がないタイプなので、個人事業主のままやってきました。メールもyahooメール(笑)、電話も携帯電話、会社住所も自宅ですが、全く問題なく音楽制作とマーケティング、コンテンツ制作という事業を行ってくることができました。
ちょっとしたきっかけで必要に迫られて法人化することにしたので、会社ができあがるまでの記録をつけてみます。
社員は自分。ひとり社長を考えている人の参考になれば幸いです。
目次
所得税率の変化と消費税免除の期間で法人化を検討する
前述の通り、法人格による社会的信用や見栄えが必要なければ個人事業主のままかなりのところまではいけると思います。個人事業主の事業規模に制限があるわけではありません。
個人事業主の所得税率は累進課税で儲かるとどんどん上がります。所得金額695万円以上では税率が23%になり、以降どんどん上がっていきます。
つまり、個人事業の損益計算において所得税率が変わってしまうラインに到達したら法人化を検討しても良いと考えます。
もうひとつのきっかけは売上金額でしょう。
個人事業も法人も設立から2年度は免税事業者となり、売上金額に依らず消費税を払う必要がありません。もしくは、課税売上金額が1,000万円以下であれば無期限で消費税が免除されます。
1,000万円を超えると2年後に消費税が請求されます。2年後の売上が1,000万円に満たなくても、です。
つまり、売上が1,000万円を超える事業を行う場合は個人事業で2年が経過する前に法人化することで消費税の免除期間をさらに2年伸ばすことができます。
結論的には、節税したいのであれば、所得か売上のどちらかが一定規模を超えた段階で法人化を検討するべきと言えるでしょう。
※後日談
設立後に色々な人の話を聞いて考えてみると、一概に法人成りで節税(節約)になるとも言えないようです。それは税金以外の負担が増えることによって相殺される可能性があるということです。例えば税理士費用や社会保険が大きな負担になります。社長の月額給与を決める際は、給与額によって社会保険が大きく変動しますので注意が必要です。
結局のところやってみないとなんとも、という感じなので、会社にしたいと思うかどうか(見栄え)が最も重要かもしれません。
合同会社という選択肢
さて、起業する場合。
いや、起業という表現はこの場合正しくないですね。すでに事業はあるので、法人化と言っておきましょう。
で、法人化にあたって、法人にも様々な種類があります。最も知名度があるのは「株式会社」でしょう。何も考えずに株式会社というのもありですが、他にも選択肢があります。
合同会社です。
とても魅力的な特長として「設立費用が安い」という特徴があります。株式会社は最低でも20万円(公証人役場での定款認証と登録免許税)かかるのに対し、合同会社は6万円(登録免許税)で済みます。
合同会社・株式会社問わず資本金の最低額規定はありません。
昔は株式会社は1000万円スタートでしたが、現在その縛りはなくなっています。つまり資本金に関しては株式会社、合同会社どちらでも条件に違いがないようです。
ちなみに知名度がないと言われる合同会社ですが、知名度が無いと言われれいるだけでかなり有名な企業が合同会社という仕組みを使っています。DMMやアマゾンも合同会社です。
一般的に株式会社の方が知名度が高いことは疑いようがありません。
周りの人に合同会社を知っているか聴けば答えが出るでしょう。しかし合理性を考えて合同会社を使う大企業もたくさんあります。
ということで、一般ユーザー向け(B to C)で、かつ、会社の名前を使って事業を行う場合は株式会社が適しています。
一方で、会社名が影響しないビジネスの場合は積極的に合同会社が活用できるのではないかと思います。B to Cであっても店舗名やブランド名を用いる場合は会社名が影響しませんので、最後は社長がどう思うか、で決めるものかなと思います。当たり前の結論ですみません。笑
僕の場合はひとり社長につき、会社名ではなく自分が売り物です。ということで合同会社を選択しました。
設立方法 専用サービスで言われる通りに進めるだけ
税理士さんなどの士業の方に頼むのが一般的でしょうが、僕は自分でやれることは自分でやりたいタイプにつき、どこまで自分でできるか試してみたいと思っています。今までも経理はすべて自分でやってきましたので、知り合いの税理士さんとか会計士さんもいません。他に社員もいません。笑
調べていくと、法人設立を手伝ってくれるオンラインサービスがいくつか見つかりました。「手数料無料、最短6日で設立!」みたいなコピーはどこも同じです。
僕は「マネーフォワードクラウド会社設立」というサービスを利用しました。理由は検索上位だったことと、サイトが読みやすかったことです。
サイトに沿って進めていけば良く、無料の会員登録さえしてしまえば途中で止まっても大丈夫です。進めていく段階で数日間に渡る「待ち」が出ますが、再度ログインすれば続きから進められます。
※印鑑作成、定款作成でそれぞれ3〜5営業日の待ちが出ます。
印鑑証明の取得
設立準備において代表者の実印、印鑑証明が必要です。
会社ではなく、代表者個人の実印です。役場で取得しておきましょう。発行から3ヶ月以内の印鑑証明が必要です。
会社印の作成
ネット検索するとたくさんはんこやさんが出てきます。好きなところを選べば良いでしょう。
僕は以下のはんこ森さんにお願いしました。理由は検索上位でサイトや商品が問題なさそう、かつ、価格が相応だったという理由です。
頼んだのは「印鑑3本セットあかね特価セット」。なんと3,850円!実際には電子印900円と事前印影確認300円を追加しました。
3営業日ほどで見事に届きました。早い!
定款の作成と認証
定款とは会社登記に必要な会社の法律のようなものです。
難しそうですが、雛形が用意されているのでマネーフォワードクラウド会社設立の説明に従って入力すればすぐに作れます。実際のところはどの会社でも内容にほとんど差がなく、雛形そのままということだそうです。
作成後に定款認証というものを受ける必要があり、費用がかかります。
紙の定款の場合は4万円かかりますが、電子認証を選べば5,000円で済みます。これもマネーフォワードクラウド会社設立の説明に従っていけばOKです。
ということで、次回は定款受け取り後のフローをまとめたいと思います。
無事に会社ができあがるのでしょうか。wkwk
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ミキシングを中心にレコーディングからマスタリングまで手がけるマルチクリエイター。一般社団法人日本歌ってみたMIX師協会代表理事、合同会社SoundWorksK Marketing代表社員。2021年よりYouTubeチャンネル「SoundWorksKミキシング講座」を展開中。過去には音響機器メーカーTASCAM、音楽SNSサービスnanaのマーケティングに従事。