エンジンオーバーホール SW20 5型 3S-GE VVTi vol.1 作業の方法
手に入れた同型(5型)3S-GEエンジン(約130,000km)をオーバーホールしていくコーナー。
まずはスペアエンジンをオーバーホールして組み上げ、動いている約260,000kmのエンジンと載せ替えます。オーバーホールなどやったことはありませんので、色々調べながら1年かけてやっていこうと思っています。
スペアエンジンの様子とエンジンクレーン
スペアエンジンは乗っているSW20を譲っていただいた先代のオーナーさんのストック品。先代のオーナーさんは現在SW20 GT-S(3S-GTE)に乗っているため3S-GEエンジンの予備は不要とのことで、譲っていただきました。搬送な先代オーナーさんの軽トラックにて。お世話になりました。
我が家でエンジンをどのように扱うのか悩みましたが、結局は市販のエンジンクレーンで吊るという方法に落ち着きました。単管パイプで組むエンジンクレーンなども検討しましたが、市販品が安いので単管パイプクレーンとの価格差があまり無いのが理由です。
エンジンクレーン自体は75kgとかなりの重量物なので、搬送はよくご確認の上ご購入をw
組み立ては1人でも可能ですが二人の方が良いです。そして値段なりなので、ピンがすんなりと入らない、油圧ポンプのピンがすぐ外れるなど細かい難点はあります。が、値段を考えればこんなもんでしょう。この値段で売ってくれるだけで素晴らしいです。
自宅のカーポートの高さは2400mm程度なので吊り上げにはギリギリで、かつエンジンクレーンの可動範囲もギリギリです。これで吊る高さが足りなかったらアウトですw
予想はしていましたがなかなかの重さなので、エンジンクレーンで吊りながらでないと移動できません。台車を買うにしても耐荷重が少なくとも200kg程度は必要でしょう。
なお、単管パイプでのエンジンクレーン自作を検討していた際にはこちらのサイトを参考にさせていただきました。
エンジン分解1 大物パーツの取り外し
まずは保管できるようにミッションをはじめエンジン本体以外のパーツを取り外しました。以下参照。
- ミッション
- クラッチカバー&クラッチディスク
- エキゾーストマニホールド
- エアコンコンプレッサー
- ダイナモ
- サージタンク
- セルモーター
エンジンが下りているのではっきり言って朝飯前デス。楽勝です。
また、エンジンスタンドに置いておく計画だったのですが、エンジンスタンドの仕組みを知ってビックリ。もっとぴったりガッチリスタンドにつくと思っていたんですが、そんな仕組みではなく、ミッションが締結されているボルト等を使って無理やり止めるんですね。
ボルトにかかる力が凄そうで、短期なら良さそうですが長期保管した場合はひん曲がりそうだったのでスタンドを作って床置きすることにしました。
どのパーツも汚れていますが本質的には綺麗そうで、まだまだ使えそうです。
エンジン分解2 タイミングベルトの取り外し
オーバーホールなので順番に分解していけばOKです。が、やっていると止まらなくなるので、少しずつ時間をみつけてやっていくことにします。今日の目標はカムシャフトを外すところまで。
まずはフロント側、タイミングベルトを分解。タイミングベルトカバーの上にあるパーツ、クランクシャフトプーリーを取り外します。トルク1,100kg/mのボルトで、かつクランクシャフトに止まっている、つまり回ってしまうので、回り止めをしないと回ってしまって外れません。
が、エンジンが下りているってシアワセです。
インパクトで回したら一撃で外れましたヽ(=´▽`=)ノ
外れたらプーラーをかけて外します。プーリーは鋳物なのでタガネ等でこじって外すと縁が割れます。安いのでぜひプーラーをお勧めします。
エンジンマウンティングステーRHを取り外し、続いてタイミングベルトカバーを外します。写真の順番が違いますがご了承ください。タイミングベルトカバーは10mmのボルトを外していきますが、2本だけヘッドカバーNo.2(上側)に隠れています。
ということでヘッドカバーNo.2を取り外し。赤いヘッドカバーのことです。
下の写真はヘッドカバーNo.2を外した写真です。赤の六角ボルトで留っています。緑の2本がタイミングベルトカバーを留めている最後の2本です。
カバーを外すとタイミングベルトとご対面。あまり劣化はなさそうです。
タイミングベルトはテンショナで自動的に張り具合が調整されており、テンショナを緩めると外れます。テンショナがアイドラを押すことで張っています。アイドラに1/2DRサイズの穴があるので、ここにレンチをかけて確か70kg/mの力をかけているとだんだんと緩んできます。かなりゆっくり緩むので慌てずに。
テンショナが緩む(縮む)とテンショナの穴に棒がさせるようになります。細い六角やドリルを突っ込んでおくと、テンショナが縮んだ位置で固定されます。
エンジン分解3 ヘッドカバーNo.1の取り外し
タイミングベルトが外れたらヘッドカバーNo.1、いわゆるヘッドカバーの取り外しです。周囲の不要なものを外していきます。まずはプラグキャップにつながるハーネス類。取り外そうとしたところ(緑)、プラスチック部分が見事に崩壊していました。これは新品出るのかな、、、苦笑
ハーネスのチューブ類もすべて崩壊。プラスチック類は新潮しないとダメそうです。
赤のボルトばヘッドカバーNo.1を留めているボルトです。
ヘッドカバーNo.1を留めているボルトを外せばヘッドカバーNo.1はすんなり外れます。固着している場合はタガネ等でこじって外しますが、ヘッドに傷がつかないよう注意です。
外してみると、、、なんと綺麗なエンジン!ヽ(=´▽`=)ノ
今載っているエンジンよりも綺麗な状態です。これはオーバーホールする必要はなかったかもしれませんねww
ヘッドカバーの裏もかなり綺麗でした。
続いてカムシャフトを外します。
カムシャフトは排気側、吸気側の順でカムプーリーを外します。この時カムプーリーを回すと当然のごとくカムシャフトが回ってしまいますので、カムシャフトにモンキーを噛ませて固定します。
なお、インパクトで回したらカムシャフトを固定しなくてもすぐに外れました。
吸気側はVVT機構を含むためゴツい六角ボルトでプーリーとカムシャフトが固定されています。間違えて吸気側プーリーを分解してしまうと直せません。整備書でも分解したらASSY交換の指示になっていますので、分解しないよう注意してください。
吸気側プーリーは外す前にVVT用のOCV(オイルコントロールバルブ)を外します。ボルト1本で留っており、ボルトを外すとキュポっと抜けます。OCVもVVTプーリーもオイルが循環しているため、外すとオイルが少量出てきます。
外したOCV。こちらもかなり綺麗です。
吸気側のVVTカムプーリー、相当硬いです。
最後にカムシャフトのベアリングキャップを外します。
外す順番が決められているので、整備書をよく読んで作業しましょう。なお、ベアリングキャップは場所、向きともに指定の場所と向きがあり、ベアリングキャップに刻印されています。フロント側から1〜5まであり、吸気側は「I1〜5」、排気側は「E1〜5」とナンバリングされています。キャップ形状なのは3番以降なので、E3/E4/E5/I3/I4/I5があります。ボルトも同じ場所に使うように管理します。
外す時は少しづつ均等に緩めて外します。ベアリングキャップは「ベアリング」なので、絶妙なトルクで締まっています。1箇所だけ先に緩めると他のキャップの圧力でカムシャフトが傾いて傷や歪みの原因になってしまいます。
カムシャフトが外れました!
吸気・排気でシャフト形状も長さも違うので間違えることはないと思います。エンジンが下りているといろいろ本当に楽です。以前タイミングベルト交換をした時、カムシャフトオイルシールの交換は諦めましたが、下りていればすぐに終わりますね。
ということで本日はここまで。
なお、オーバーホールに際しては以下のサイトを参考にさせていただいています。後期セリカということで同型の赤ヘッド 吸気側VVTiの 3S-GEエンジンオーバーホールです。
その他参考にさせていただいたサイト。感謝です。
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ミキシングを中心にレコーディングからマスタリングまで手がけるマルチクリエイター。一般社団法人日本歌ってみたMIX師協会代表理事、合同会社SoundWorksK Marketing代表社員。2021年よりYouTubeチャンネル「SoundWorksKミキシング講座」を展開中。過去には音響機器メーカーTASCAM、音楽SNSサービスnanaのマーケティングに従事。