ローカットフィルターの使い方 LCFのコツと考え方・使い方解説 [vol.020 難しさ:ふつう]
歌ってみたのMIXからマルチトラックミキシングにステップアップした人は、その難しさ、特に音がスッキリとまとまらないことに驚くのではないでしょうか。
今回の記事では、簡単に挑戦できて効果もわかりやすい「音がスッキリする方法」を紹介します。
ローカットフィルター(別名:LCF/ハイパス・フィルター)と呼ばれる、どのDAWでも付属しているスタンダードなエフェクトを使います。人によって使い方や頻度が異なり、様々な哲学が存在する奥の深いエフェクトですが、まずはローカットフィルターによる音作りを身につけましょう。
動画の耳トレの解答
今週の耳トレの問題はこちらでした。
原音に対し、4つのLCFがかけられた音源があります。300HzのLCFがかかっている音を選んでください。
正解は、Bです!
消去法で考えれば比較的簡単だったのではないでしょうか。どのあたりの周波数をこうするとこうなる、みたいな感覚値を身に着けておくと、次第に頭の中で音が作れるようになってきます。実際に音を出さずにミキシングの段取りを考えられますので、作業速度がアップしますし、完成度も高くなります。
最初からは無理ですが、聞こえている周波数がいくつ?というのを考えながら日々過ごしていると段々と当たるようになってきます。やってみてくださいね!
AからDまで、以下のような設定でした。
音源A
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音源Aは500Hzでした。500Hzまで切ってしまうとかなりスカスカ感が出ますね。
音源B
![](https://soundworksk.net/wp-content/uploads/2021/06/af33dffec9db2a132c218378dada3598-1024x739.png)
音源Bが300Hz。このあたりは、LCFかかってるねぇ、くらいの領域ですね。
音源C
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音源Cは120Hz。原音にこれより低い帯域の音があまり含まれていなかったため、120HzのLCFだとそこまでカットされている感じがしませんね。
音源D
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音源Dはなんと750Hz。ここまで来るとスカスカです。シンバルなどの金物、シンセ音などにはこのくらいのエグい設定を使うことがあります。
![](https://soundworksk.net/wp-content/uploads/2023/10/d8Ve8r6p_400x400.jpg)
ミキシングを中心にレコーディングからマスタリングまで手がけるマルチクリエイター。一般社団法人日本歌ってみたMIX師協会代表理事、合同会社SoundWorksK Marketing代表社員。2021年よりYouTubeチャンネル「SoundWorksKミキシング講座」を展開中。過去には音響機器メーカーTASCAM、音楽SNSサービスnanaのマーケティングに従事。