Antares Auto-Tune Unlimited 歌ってみたオススメプラグイン3選 [難しさ:やさしい vol.130] Vocal EQ/Vocal De-Esser/AVOX Choir

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Antares(アンタレス)はピッチ補正アプリケーションAuto-Tuneを生み出したメーカーとして有名ですが、現在ではAuto-Tune以外にも様々なプラグイン・アプリケーションをリリースしています。本記事ではその中から歌ってみたMIXに使えるプラグインを3つセレクトし、その特徴と使い方を紹介しています。

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その1 Auto-Tune Vocal EQ

ボーカル用途で使えるイコライザーは数多ありますが、Antaresのプラグインいしかない機能を持つイコライザーが、Antares Vocal EQです。さっそく紹介していきましょう。

Auto-Tune Vocal EQの概要

Auto-Tune Vocal EQは、6バンドのイコライザーと2つのフィルターを備えたダイナミックEQです。下段が調整セクションとなっており、左側は通常のEQとしての設定項目、右側がダイナミックEQとしての設定項目となっています。ビンテージエミュレーション系ではないので、基本的に音質変化はありません。

ダイナミックEQについては、どの程度動作させるかを決定する[Range]を設定しないと動作しないので、ご注意ください。

左が通常EQ、右がダイナミックEQセクション

サイドチェイン動作にも対応しており、ダイナミックEQセクション[Side Chain]スイッチ[External]に設定することで、外部からの入力をキーとして動作(サイドチェイン動作)するようになります。近代的なEQとして必要な機能を揃えていますから、「ただのEQ」「ファーストコールEQ」としても十分に使うことができます。

ピッチに追従するEQ – 自宅録音ボーカルやボカロに最適 –

先述の基本機能に加えて備えられているのが、トラッキング機能です。Auto-Tuneの技術を活用し、入力されたボーカルのピッチを検出。イコライザーの中心周波数が、入力音の基音または倍音に追従します。自宅録音のボーカルやボーカロイド音源においては、基音・倍音の成分が過剰になってしまうことがあります。メロディのピッチによって異なる周波数を減衰したいところですが、通常のEQは中心周波数が固定されているため、ボーカルのメロディに追従できません。

Auto-Tune Vocal EQでは「メロディに追従してイコライザーでカットすることができる」のです。

使用方法は簡単で、各バンドの中心周波数を決定する[Frequency]ノブの右にある[Track]スイッチを有効化します。すると[Frequency]ノブは基音または倍音を選択する[Harmonic]ノブに変化します。まずは[1]を選択してみましょう。[1]は基音(音の成分のうち最も低い周波数の音、ピッチを決定する)を示しています。[2]より上の設定では、それぞれ基音の上に重なる倍音を選択できます。基本的には1〜3を選択することが多くなるでしょう。

[Harmonic]ノブを設定したら、あとはEQまたはダイナミックEQを設定するだけです。設定したら[Solo]にして音を聴いてみましょう。気になっていた不要な響きかどうか、確認できるはずです。

画面上部の[Input Type]を適切に設定することで、さらに動作精度が向上します。適切な設定がわからない場合は、[Learn]を選択して再生すれば、5秒間入力音を解析して、自動的に最適な設定を行います。

自宅録音ボーカルにおいては基音と倍音のバランスが悪く、軽い音になる場合も多く見られます。このような場合は、[1]をブースト方向に使用し、[2]/[3]をカット方向に使うことでリッチなサウンドに調整することができます。

使用上の注意点もあります。ピッチ変化が急峻な場合は中心周波数の移動も急激になってしまい、不自然な音になることがあります。Auto-Tune Vocal EQに入力する前に適切なピッチ修正を行っておくことが望ましいでしょう。もし不自然になる場合は、[Dry/Wet]をDry側に調整して原音を混ぜることで緩和することができます。

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その2 Vocal De-Esser

2つ目はディエッサーです。

Auto-Tune Vocal De-Esserの概要

Vocal De-Esserでは、一般的なディエッサーで対象とするサ行(=”S”または”Z”)だけでなく、タ行・カ行(=”T”または”K”)を指定して減衰させることができます。良いマイク/良いスタジオで録音すると歯擦音が少なくなる傾向があります。一方で、低価格のマイク、マイクプリを用いて自宅録音をすると、歯擦音が大きめになる傾向があります。加えて、タ行・カ行が目立ってきます。さらにこれらの音はピッチ・タイミング修正を経ると大きくなる傾向があります。

Vocal De-Esserでは、これらの不快な音を個別に指定して減衰させることができます。

おすすめの使用法

設定がわからない場合はアシスト機能を活用しましょう。[Assist]を有効化して再生するだけで、適切な設定を行ってください。解析後に設定値を提示してくれますので、[Apply]を選択すれば設定してくれます。

設定したら、お好みにあわせてノブを調整しましょう。リンクスイッチを無効化すれば、S-Z系の設定とT-K系の設定を分離することができます。タ行・カ行だけ動作させたい場合は、S-Z系を弱く、T-K系を強く設定します。

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その3 AVOX Choir

AVOX Choirは比較的古くからあるプラグインですが、まだまだ現役。歌ってみた制作、特にコーラスを豪華にする用途で活躍します。

AVOX Choirの概要

AVOX Choirはコーラスエフェクトの1種で、ピッチやタイミングをずらした音を生成して合成することで、入力音に広がりを与えます。ひとつのボーカルトラックから、まさにクワイアのような多人数サウンドを作ることができます。コーラスエフェクトよりは生々しさがあるため、実際に何度も録音したような豪華なコーラス効果を得ることができます。

パラメーターは5つしかないので使い方は簡単。まずは[Choir Size]を選択しましょう。最も人数感がある[32 voices]を選び、過剰であれば少なくしていけば良いでしょう。

[VARIATION]の3つのパラメーターでは、生成されたコーラスのサウンドを調整します。どのパラメーターも25%以下の少ない設定の方が不自然さがなくリッチなサウンドになります。Vibratoはゼロでも良いでしょう。

最後に[Stereo Spread]で左右の広がりを設定します。

メインボーカルを広げる or コーラスを広げる

Dry/Wetの調整は不可能なので、メインボーカルに使用すると原音が弱くなるので注意が必要です。メインボーカルに使用する場合はセンドリターン形式で別のAUX(エフェクト)トラックにインサートして、混ぜるように使うと良いでしょう。メインボーカル用途の場合は人数を少なく[8 voices]程度、[Stereo Spread]を狭くして[15]程度がオススメです。

Screenshot

コーラス用途の場合は、人数感の強い[16 voices]または[32 voices]がオススメです。また、[Stereo Spread]も強めの80以上が良いでしょう。

※AVOX Choirの単体販売は本国サイト(英語)または日本代理店ディリゲントのWebサイトのみです。販売店での購入においては、Auto-Tune Unlimitedに含まれています。

数あるAntaresプラグインの中から多用できる3つを選んでみましたが、いかがだったでしょうか。この他、昔からあるMic Modelerや、ピッチ修正のスタンダードAuto-Tune ProももちろんボーカルMIXに有用なプラグインです。また、様々なエフェクティブなサウンドを作り出せるAuto-Tune EFX+も頻繁に使用します。個別購入も可能ですが、ボーカルミックスをメインにしている方であれば、すべてのプラグインが使用できるサブスクリプションプラン「Auto-Tune Unlimited」がオススメです。筆者も結局のところ毎年更新して愛用しています。

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